平成21年(2009年)に制式化された、日本の主力戦車(MBT)である
10式戦車(ひとまるしきせんしゃ)を見た海外の反応です。

その最新型のプロトタイプが富士演習場で一般公開された時の様子を収めたビデオです。
以前自衛隊で採用されていた90式戦車とは異なり、戦闘力の総合的な上昇と、
火力・機動力・防護力の向上、小型・軽量化などを達成したモデルであるといわれています。

車体の総重量は44トンで、以前とは大幅に軽量化がなされ、
動画をみてもわかるとおり、その機動性は抜群です。

時速70km/hで走行可能で、急旋回するときには
アクセルターンと呼ばれるドリフト走行のようなパフォーマンスが可能になっています。
主砲には日本製鋼所の国産44口径120mm滑腔砲を採用し、
新型の国産徹甲弾の採用により高い貫徹力を備えています。

開発のコンセプトは5つあり、
高度なC4I機能等の付加、火力・防護力・機動力の向上、
全国的な配備に適した小型軽量化、
民生品の活用 (COTS) および部品の共通化等によるライフサイクルコストを含む経費の抑制、
将来の技術革新等による能力向上に対応するための拡張性の確保です。

防護力に関しては、新たに開発した複合装甲を使用し、防御力を下げることなく軽量化を図っています。
映像をみた限り、主砲を標的から外す事無く高速走行が可能になっていて、
より実戦向きの戦車であるという印象を受けました。

またこの戦車は軍隊における情報処理システムであるC4Iシステムを搭載しており、

戦うコンピューターなどと呼ばれることもあるようです。



動画   携帯用動画



以下、この動画に対する海外の反応


■ これはすごい。ここから空飛ぶロボットに変わっても僕はおどろかないよ。 レバノン +10

■ ゴジラ! アメリカ

■ この戦車ってドリフトできるんだよな アメリカ

■ 砲口がまるで「頑固な人」 のように安定していて1つの方向に向いているな。 中国

■ うおー、興奮する~ フィリピン

■ 旧型よりも20トン軽く、0.7メートル車高が低くなり、アクティブハイドロニューマチックサスペンションを備え、5車輪の代わりに7車輪、CVT(無段変速機)、オートローダなどの性能を備えています。 アメリカ

■ あんま好きじゃないな ノルウェー

■ なんて素敵な戦車なんでしょう! マレーシア

■ ガラクタにみえますよ。戦車の第四世代って自衛隊は言うけどせいぜい第三世代でしょう。過大評価だよ デンマーク

■ この戦車は非常に軽く機動性があることが分かる。歩兵をサポートしながら敵のシェルへロケットを打ちこむようなイメージかな アメリカ

■ レオパルド2A6(ドイツ)のような砲台ですね フィンランド

■ 日本は軍隊じゃなく自衛隊でしたね。第二次大戦以来、戦争への不参加を表明しています インドネシア

■ 自衛力としては不十分といわざるを得ません。実際の戦争では逆襲できるだけの能力が必要だからです。いまの日本ではそれはできないでしょう。その戦力では勝てないのです。アメリカのサポートがないと厳しいでしょうね。攻撃と防御の両方に力をいれることでSDF、つまり自己防衛力が備わると考えます。そのためにはやはり核兵器は必要ですね。アメリカに期待すべきではないし、中国が脅威になって来ているのでね。 ロシア

■ 国防日本の基本方針は、以下の方針を定めています。核兵器を持たず、開発をしない、日本の領土の内側に核兵器を持ちこませない。(非核三原則) セルビア

■ 非核三原則って何? セルビア

■ 日本では戦争は忌避されているが、もしも日本人が20世紀の考え方に戻ったら、あまりに強大な軍事力を手にすることをこの動画で確信した。 ロシア

■ 日本は戦争を怖がっている。第二次世界大戦で敗北したこと、多くのいまの日本人は軍事に関して
関与したがらないことだ。でも、私は日本人が以前の姿を取り戻すと信じている。大型空母も作れるし、中国との連携もできると信じている。でも、今は本当に武士道がなくなったよ。インドネシア

■ 第二次世界大戦のようになぜ日本人が軍事にかかわるのを嫌がるのか私にはわからない。戦争で負けた国が通る道なのかな。それでもまだ戦争に行きたがる人だっているはず。例えばベトナムのようにね。戦争なんてだいぶ前の話でしょ?いつまで気にしているのさ。あの頃は戦争に行きたくも無い人たちが集められて戦争に行ったことを忘れないでほしいな。 ロシア

■ 多くの若い日本人がハイエンドなファッションや、ゴシップ、コスプレ、アニメなどにうつつを抜かしていて、そんなんで中国に勝てると思ってるのか? アメリカ

■ 日本は防衛しかしません! フィンランド

■ 中国?政治的腐敗に支配される国が? フィンランド

■ 日本は憲法9条があるから他国への侵略はしないよ アメリカ

■ 日本はまさに自己防衛と自己破壊の両方を持っている。国籍不明

■ 日本の本気を見た ロシア

■ 正直なところ、私はルクレール(フランス)についてはあまり知りません。しかし、私はそれが世界最高の戦車の一つだと思う。 レバノン

■  44 トンの小さな戦車なのでしょう。米製M1A2の半分強ぐらいの重さかな。やはり小型のほうが燃費はよいからね。 ドイツ

■ 十分(能力を)おぎなっているんやない? アメリカ

■ 間違いなく、これは前世代の戦車より優れている。 アメリカ

■君たち、言っている事分かってる?日本が他国を侵略できないのは憲法9条があるからだよ。自己防衛だよ。 日本(英語)

■ 信じがたい事ですが、この小さなタンクは世界最強です。Rheinmetall L55 120主砲は世界で最も強力な120mmです。そして、その装甲は120mmの攻撃に耐えることができる。軽いボディと強力なエンジンの組み合わせは、最も優れた機動性を実現しています。 日本 (英語)

■ 日本はもうアメリカに頼らなくてもいいのでは?, どんどんカワサキ製のヘリコプターを作ればいいし。必要なら政治問題を回避するために政府を交替するべきだ。最近は世界のほとんどの人がアメリカに辟易している。国籍不明

■ この戦車は日本の道路や地理的な状況に合ったものとして作られている。90式ではちょっと大きすぎたからね マレーシア

■ 良いアングルから鮮明に撮影されていますね。10式の映像が見られてありがたいです。 日本

■ 真実です。軽量ということは燃料消費量が少ないということです。
M1A2のような重戦車は莫大な燃料が必要になりますし。10式戦車はインターネットの軍事ファンに絶大な評価がありました。 アメリカ

■ この戦車はむちゃくちゃ狙われるだろうな。オランダ




やはり、海外の人たちやたら詳しいですね(笑)
個人的にはどういう意味で 「むちゃくちゃ狙われる」 のか気になりますが・・・。
コメントを見る限り、東南アジアでは日本が強くなるのに抵抗は少ないみたいですね、
やはりどこの国にも言いがかりを付けて来る中国共産党が影響しているのでしょうか。


今回の10式は多くの方がご存じの通り第4世代戦車とも言われており、
戦前から戦車を作り続けてきた三菱重工がその経験と技術、知恵を結集して
作り上げた世界最高水準の戦車です。

なぜ開発したかと言うと、
政府は当初、海外からの調達も検討していたようです。
政府の様々な要求を満たす戦車が海外になかったため、
「無いなら作るか、しょうがない」 という感じで仕方なく開発したところでしょうか。

世界にはまだ10式に匹敵する戦車はなく、
戦闘機に例えると米ステルスF-22といったところでしょう。
世界最強の戦車である事はほぼ間違いなさそうです。

ステルスと聞くと高そうなイメージがありますが、
90式より多少安くなるとのことです。



海外のコメントの中には 「ガラクタだ」 とか言う声もありましたが、
実は前世代である90式戦車の時点でM1A2エイブラムス(米)やレオパルド2A6(独)などと並ぶ
世界最高水準の戦車の一つとされています。


90式戦車では走りながら射撃する 「行進間連続射撃」 の能力が特に高いとされ、
移動目標照準時の高度な自動追尾機能も驚異的と言われています。

90式の海外の評価として、Forecast International社による
世界主力戦車ランキングではM1A2 SEP、
メルカバMK4に続いて第3位ということです。


日本の90式戦車と中国の96式戦車の比較動画 ↓ 携帯用動画

日本の90式戦車はどんなに揺れても主砲が安定しているのが分かります。
まあ、中国の96式がたまたま安定させないで走行している時の映像かも知れませんが。
念のため補足しておくと、上記の中国戦車は最新型でなく、現在の最新型は99式戦車です。

この戦車は上記動画の96式戦車と共に米軍事誌のランキング10に入っているそうです。
中国の99式 ↓ 携帯用動画

いや、やっぱり揺れてるよなあ。まあ気のせいか・・・。


M1A2エイブラムス(アメリカ) ↓ 携帯用動画

曲のチョイスがちょっとアレ。


レオパルド2A6(ドイツ) ↓ 携帯用動画

これは・・・さすがドイツ


10式(日本) ↓ 携帯用動画

様々な体勢から射撃できるのが分かります


海外の評価をこうして見ると90式の時点で世界でも一流なんですが、
これを大きく刷新した今回の10式戦車の今後の評価が気になりますね。



10式戦車の最大の特徴はC4I機能(広範囲ネットワーク情報共有化システム)と言われています。
これまでの戦車では限られた範囲の情報しか共有できず、
10式で最前線にいる他の車両と即座に情報を共有できるようになりました。
これが非常に大きいのです。

例えるなら、友達と連絡を取るのに家に帰って家の電話から掛けていた時代に、
携帯電話が登場し、どこからでも即座に双方向で連絡し合えるようになった、というところでしょうか。

これにより、敵車両を味方の車両のうち一つでも発見すれば
集中的に攻撃したり、または作戦を練り、戦闘を回避したりできます。

これは大変凄い事で、例え自分の車両から見えない所にいる敵でも
位置を把握でき、叩く事ができます。
相手からすれば見えない敵から多数の攻撃を受けるのですから、
たまったものではありません。



そして、この戦車のもう一つの大きな特徴が小型化でしょう。

戦車はそれ自体が標的なのでなるべく小さく作りたいところです。
従来の90式では通れる橋や道路が限られてしまうという話はよく聞きますね。
日本全国で使えるようにできるだけ小さく開発された10式ですが、
多くの橋や道路を通れるようになった以外にも、様々な利点が出来上がりました。

小型化により、敵に発見されにくくなったのももちろん、
守るべき部分も小さくなったのでさらに軽くでき、
軽量化による燃費向上、航続距離向上なども期待できるようです。
また、軽いという事は従来より発熱量も抑えて走行する事ができ、
赤外線ホーミング(IRH)誘導などからもそれだけ補足されにくくなっています。

同じ性能ならば小さいほうがより有利で、アメリカでも主力戦車の小型化計画が出ています。


しかし、小さく軽くなるというのはもちろんデメリットもあります。
戦車というのは主砲を撃った時の反動を抑えるためにある程度重量が必要で、
現在主力の120mm砲では50t~55t が限界で、
それ以上は落とせないだろう、というのが世界の常識だったようです。

そのため、海外では
嘘の情報に決まっている、とか
防御力を犠牲にしたんだ、零戦みたいに、とか
中が極端に狭いんじゃね?
などの意見が相次ぎました。

今回の10式戦車では射撃時の反動を油圧サスペンションの高度な制御により抑える事で、
44t という軽さを実現したとの事です。

今回の小型化は、エンジンを含むパワーパックの小型化などに
成功したのが大きいのではないでしょうか。
結果として装甲をはじめとした防御力、戦闘室内の居住性や装備、
弾薬の搭載数などを犠牲にすることなく小型化できたようです。


また、軽量化と高度な姿勢制御・砲塔制御や軌道計算技術などによって
どこの戦車でも真似できない
「スラローム射撃」 を行なう事ができ、高度な自動追尾システムの搭載により
高い命中率を誇ります。

旋回しながらでも揺れながらでも射撃を行なえる10式戦車ですが、
砲塔が揺れている場合などは射手がボタンを押した時ではなく、
砲塔が相手を補足した時点で自動的に射撃されるとのこと
(揺れている間のほんの一瞬でも補足すれば発射、補足も瞬時らしいですが)
で、かなりのHENTAI仕様となっているもようです。



しかし、現在では 戦車 vs 戦車 の戦いは起こらないだろうと言われ、
10式は国内でのテロなども想定し開発されました。
旋回できるようになった機関銃などもその一例でしょう。
グローバル化に伴い、相手が変わってきたんですね。
これからは味方に扮した内部の敵が脅威になる、という事でしょうか。

そして、こういった軍事に詳しい海外の軍人からしてみれば
これほど相手にしたくない敵もいないでしょう。
こういった非常に高い技術そのものが既に抑止力として働いているのは事実です。

日本は周りが海なので海自ばかりに目が行ってしまいがちですが、
実はこうした技術からくる抑止力こそが大事で、やはり高性能な戦車は必須なんですね。


陸上自衛隊 90式戦車 ↓ 携帯用動画

機体もそうですが、メンテとこういった錬度も大事ですね。


しかし、素晴らしい性能を持つ10式戦車も日々の手入れ次第で台無しになってしまいます。
これも人間と同じで、訓練を怠れば当然、使いこなす事も難しいでしょう。
今こうしている間にも、多くの日本人はそれぞれの仕事をしています。
それと同じように自衛隊員の方々も機械の手入れをし、体を鍛え、
訓練によってその能力を高めています。

それは何のためでしょうか?
もちろん、すべて国民を守るためです。



ある自衛隊員はこう言います
「俺らの出番がないのは寂しい気もするけど、出番がないのが一番なんですよね」

平時は守っているはずの国民から
「いらない」 とか 「役にたたない」 とか言われ続けてきた自衛隊。
しかし、彼らは様々な災害で多くの被災者を救い出し、不眠不休で数々の支援をしてきました。
彼らも日本人ですから、自分からは決して言わないんですよね。

人間誰でもそうですが、何かあってから初めて重要性に気がつくんです。
もう決して取り戻せない時間。
いなくなってから気がつく大切な家族の重要性と同じですよね。

国を守れなかったら、家族も守れないんです。
毎日、日本を守ってくれている自衛隊の方々に感謝したいと思います。



外でヘリがずっと飛んでいるなあと思っていたら
エアコンの室外機の音でした(笑)
ハイテク10式戦車との対比が凄まじい・・・。
(ちょっと追記:記事を書いた数か月後の真夏にこのエアコン壊れましたw)

さらに追記(2016.10.21)
動画:民生技術が生んだ国産戦車

10式戦車は職人的な技術が盛りだくさん!
日本刀の技術も使われていると知ったら
外国の方々はどのような反応をするのでしょうね(笑)