皆さんも一度は見た事があると思いますが、
TOTOのトイレのCMを見た海外の反応をご紹介いたします。

説明するまでもないと思いますが、このCMは、
世界でも有名なトイレメーカーである日本のTOTOと、
サッカーくじのtotoによる共同キャンペーンという事で作られました。

海外でも驚く方が多いのですが、
私たちから見てもなにこれ(笑)という感じです。
売り文句(?) は、 「S.G.T.K(スーパー・グレート・トイレ・キーパー)」 らしいです。

動画中の説明によると、

「毎秒250コマのハイスピードカメラ2台を用いて独自開発した技術でモーション解析し
 0,1秒以内にボールの到達点を立体で予測
 超高速モーターによって0,1秒でS.G.T.Kを傾け
 ギャジット社製の強力バネでボールを射出する
 これは160kmのシュートでも、対応できる処理能力である」

・・・らしいです。
何という無駄なハイスペック・・・。

ちなみに、これは宣伝用で製造や販売は行なっていないとのことです。
お、おう・・・

さて、海外の反応はどういったものでしょうか?


動画   携帯用動画



以下、この動画に対する海外の反応


■ こりゃすごい! イギリス

■ このトイレを使う時は、あの機能が停止しているかどうか確認しないとね。 国籍不明

■ お!日本のマラドーナ・久保だよ。引退したけど、今もかっこいいね。 国籍不明

■ 日本のトイレ技術が、また一歩進んだ(トイレに見えるだけで実際は違うってことは知ってるけどねw) アメリカ

■ 面白いw イギリス

■ メイド・イン・ジャパンだな。 ブラジル

■ ルーマニアから、喝采を送らせてもらう。 ルーマニア

■ くだらないトイレはいいや。1:31のようなアニメ風の映像が見たい。 シンガポール

 ■ re:「少林サッカー」を見たらいいよ。 カナダ

■ 尻がどうなることやら。 ベラルーシ共和国

■ しかし、なんでトイレ? アメリカ

■ こりゃ本物ですか?w アメリカ

■ ボールをころころ転がしたらどうなるんだ? カナダ

■ こういうトイレに存在してほしくないな。 ドイツ

■ ロナウドがこれを蹴ったらどうなるか、見てみたいな。 アメリカ

 ■ re:ロナウドが時速160km以上の速さのシュートを打っても、トイレが止めるよ。 アメリカ

■ 僕のうんこは時速160km以上だから、あのトイレは役に立たない。 アメリカ

■ 科学技術は進歩し過ぎたのでは。 カナダ

■ あのトイレを使うという勇気はないな。 アメリカ

■ あのトイレにウンコをすると、投げ返してくるということか? カナダ

■ ボールを二つ同時に蹴り込んだらどうなるだろ。 アメリカ

■ アホな日本人だな。 ハンガリー

■ また日本人か。すごいな。ところであのトイレ、使う気にはなれんなあ。 オランダ

■ シュートを曲げたとしても、あのトイレはそれを読むだろうか? イギリス

■ 日本人の好きそうなことだ(笑) ドイツ

■ スーパー・グレイト・トイレ・キーパー??何それ? エクアドル

■ 何がポイントなんだろう。もっと実際に役に立つことにこの技術を使ったらいいのに。 カナダ

■ バルセロナのビクトール・バルデスより上手いキーパーだな。 アルゼンチン

■ このトイレが詰まったら、ふたをして逃げよう。 カナダ

■ クリスティアーノ・ロナウドの猛スピードのシュートを止めるとこが見てみたい。 アメリカ



誰が発案したのか分かりませんが、
こういうのをまさにHENTAIって言うのではないでしょうか(笑)
海外でもノリの良いコメントが寄せられているようです。

様々な作品を発表し、世間を驚かしてくれるTOTOですが、
前回の発表は走るトイレ「トイレバイク ネオ」でしたね。

動画 ↓ 携帯用動画


このトイレバイク、家畜の排せつ物などを発酵させた「バイオガス」で走るそうで、
一度の充填で約300km走行できるらしいです。
最高速度は時速70~80kmとのこと。

ちなみに、このバイクで1400kmの旅を無事に完走し終えたそうです、
これで走ってきた勇気とか、色々な意味ですごい!(笑)



今となっては海外からも 日本 = トイレ みたいに思われている部分もあるのでしょうが、
そういった間違った(?)イメージを作り上げてきたのも、
このTOTOとINAXではないでしょうか?

中でもTOTOは昔からトイレの事ばかり研究してきた企業で、
1969年から自社による便座暖房機能を持ったウォシュレットを製造・販売してきました。
しかし、当時のウォシュレットは未完成で水の出る方向や温度が定まらず、
作家の遠藤周作さんに
「ものすごく熱いお湯(中略)一度しか使わないこんなもの」
とまで書かれてしまったほどの製品だったらしいです。

このウォシュレット、その後も開発が続けられる事になるのですが、
開発がスタートしていきなり壁にぶち当たります。
それは、「肛門の位置はどこか?」 という、
ひどく当たり前だけど一番肝心な問題でした。
様々な人の 「位置」 を知るために、300人の社員が 犠牲 研究に協力したそうです。

次に快適に感じるお湯の温度を調べました。
お湯の温度を0,1度ずつ変えていきながら実際に人間が確かめるしかなかったらしく、
1日16時間交代でデータを取り続けたとの事です(笑)


現在ではそのように熱いお湯が出る事はありませんし、
世界中でも広く使われており、大変評判の良いトイレが作られ、販売されています。
高くても売れるようになったTOTOのトイレ。
しかし、最初はとてもそうではなかったのです。


なぜここまで開発が進み、これほどまでに進化することができたのでしょうか?
大勢の人が口をそろえて言います。
「開発者の熱意に負けた」
科学技術がどれだけ発達しようとも、快適さの基準を決めるのは人間であり、
それらを創造していくのも人間にしかできないのかも知れません。


ちなみに、TOTOのルーツを突き詰めてゆくと
1876年に創立された森村組にまで遡るとのことです。
この森村組、最初は日本の骨とう品 (蒔絵や花瓶、印籠など) の貿易をしていて、
後にさらに人気の高かった陶磁器の貿易を経て、
陶器を製造する 「日本陶器合名会社」 を設立、
この会社の中に陶器を研究する研究所を作ったとのことです。

そして、この研究所では2年間、17280種類以上!というとんでもない数の試験が繰り返され、
日本初の腰掛式衛生陶器(洋式トイレ)の開発に成功、
これを試験販売したところ大変好評だった事から、
これの製造工場を北九州市に作り、それが後の1917年に東洋陶器となりました。

ここまで途中をかなり省略して書いてきましたが、
それでもまだ終戦前の出来事とは・・・。
歴史を感じずにはいられませんよね。


ちなみに、日本陶器合名会社のほうは現在ノリタケカンパニーリミテドとなり、
こちらは陶器も製造していますが、砥石のほうが有名かも知れません。

ホームセンターで良く売られているベビーサンダー(ディスクグラインダー) 用の
スーパーリトルという金属切断用の砥石、あれがこの会社で作られているんですよね。
1枚300円くらいするので他の製品よりかなり高いのですが、
仕事の効率を優先するプロの職人が愛用している事で知られています。



この東洋陶器、
さらに時代が進んでTOTOとなり、アメリカなどへ販路を拡大してゆくのですが、
最初はまったく売れず、非常に苦戦したようです。
言うまでもなく、アメリカには既にアメリカの企業が幅を利かせており、
後から参入するにも様々な問題が発生しました。

アメリカではどっしりとした陶器の質感を好む人が多く、
陶器に電化製品を載せるなどもってのほかだったようです。

それに、訴訟大国アメリカでは日本企業が安全だといくら説明しても、
水周りに電化製品を使うのは危険だという事で
扱ってくれる販売店すらなかなか見つからなかったという話です。

何カ月も通い続け、苦労に苦労を重ね少しずつ販路を拡大しましたが、
TOTOは良い物を作る努力も、もちろん怠りませんでした。
開発者たちは寝ても覚めても良い物を作る事ばかり考えていた、と言います。


当時、アメリカ企業を含むどこの企業でも、
製品テスト時にトイレに流すものはゴムやスポンジといったものが一般的でした。
しかし、TOTOでは独自開発の「擬似汚物」というものを使い、
トイレの性能を細かく調査していました。

擬似汚物といっても何種類も作り、
大きさや固さ、粘度や比重の違うものをそれぞれ用意し、
様々な擬似汚物でテストを繰り返すことで製品の性能を細かく調査・分析し、
より良い製品の開発を行なってきました。



話は変わりますが、私の勤めている会社にはダイ〇ンの掃除機があるのですが、
音ばかりで全然吸ってくれないんですよね。
壊れているのかと思い、同じメーカーの違う掃除機を使っても同じでした。

仕方なく家で使っている東芝の安い掃除機を持っていったら
もう吸い込みまくりで、あっという間に掃除が終わりました。
別に信者ではないのですが、掃除機もやっぱり国産ですよ、
私だけかも知れませんが(笑)

中身はどうだか知りませんが、日本のメーカーの名を冠するだけあって
かゆい所にも手が届くんですね、地味で派手さはないけど。
例えば、狭い所にも楽に入っていける細くて薄いヘッド部分とか、
強い吸引力なのに地面のほこりを巻きあげないソフト排気とか。
もちろん、良く吸い込むという大前提があって初めて見えてくる細かい部分なのですが。




良い物は良い。それは海外製でも変わらないんです。
欧州車とかも見えない部分の内張りが2重になってたりしますからね。
ただ、良い物を求めると多くの場合、勝手に日本製になっちゃうだけなんです。
これも私だけかも知れませんけど・・・。

しかし、この安い東芝の掃除機にも、開発者たちの苦労や努力、
熱い想いが隠されているのでしょう。


ちなみに外国人から見た日本車ですが、
故障しないのはもちろん、小物入れの多さや掃除のしやすさなどのように、
ほんのちょっとした些細な細かいところにも気配りされている部分も評判が良いようです。
まあ、やはり派手さはないんですけど(笑)


2013.04.16 追記
便座が面白い!北斗星の車内トイレは凄かった!   携帯用動画

列車のトイレとは思えませんね・・・。
この列車、1988年(昭和63年)に開業したとのことで、
25年前にこんな事になっていたとは。驚きました。



ここまで見てきた日本製品に対して言える事、それは、
ものづくりを追求し、究極を追い求める日本人ならではの発想と努力が
地味だけど高いクオリティーの製品を次々に生み出しているのではないでしょうか。
そのかわり、少し、ほんの少しだけ値が張りますが。

ちなみに、今回の動画のトイレに関しては
全然地味ではないですね(笑)

技術もあり、実績もあり、情熱もある。
色々な意味で、あれだけの物を作れる余裕もある素晴らしい企業だと思います。



一つのものごとを追い求め、
時には逆転の発想で大きく方向転換し、大きく発展してきた多くの日本企業。
しかし、「人を幸せにするものづくり」 という本質を絶対に見失わなかったからこそ、
結果として成功につながってきたのではないでしょうか。