今回は日本の算盤(そろばん)を見た海外の反応です。

科学技術が発達した現代では、複雑な四則計算は全て
電卓やコンピュータ(表計算ソフト)などに任せているという人が多いのではないでしょうか。

ボタンを押して数値を入力すれば、
何桁ものややこしい計算の答えすら瞬時に正確に導き出せます。
人間のように計算間違えをすることもないため、
私たちの生活にとってこれらの機械は必要不可欠な存在と言えるでしょう。

この動画では、計算機やパソコンなどに頼ることなく自分の頭の中だけで
全ての計算を行う子どもたちを紹介したドキュメンタリー動画です。
年端もゆかぬ子供たちが画面に映る膨大な数値の足し算を
いとも簡単に瞬時に実行している様は圧巻のひとこと。

彼らは幼い頃から「そろばん」を習っており、
頭の中で珠を動かすことで複雑な計算も素早く行えるテクニックを身につけています。

私たちも驚いてしまう子どもたちの暗算(そろばん)ですが、
海外の反応はどういったものでしょうか?


動画  携帯用動画



以下、この動画に対する海外の反応


■ 是非このトレーニングをアメリカの学校にも伝えてほしいね。 +8  アメリカ

 ■ re:全くその通りですね。 うちの学校でもアジアの人たちがやってることを教えてくれれば、うちらももっと賢くなれますよ。 アメリカもアジアみたいになれば、もっと世の中がうまくいくんでしょうけどねぇ。 ばかげてるとは言いませんが、一つの意見として聞いてもらえれば幸いです。 アメリカ

■ もう電卓は禁止して、小学校一年生になった子供たちにはこうした技術をどんどん教えるべきだよ。 私はもうじき高2ですけど、私も幼い頃にこのテクニックを学んでたらなぁって思いますもんね。 多くの高校生は時間短縮のために計算機に依存していて、自分で考えるということをしないのが実情です。 それって、悲しいことですよね…。 アメリカ

■ すっげえ…、イカれてんな…。:( アメリカ

■ 15年以内に俺を世の中からのけ者にしないでくれればもうちょっとこの子らも可愛げがあるんだけどなー。 +3 アメリカ

 ■ re:俺たちはできそこないってわけかよ…。 最初からチャンスなんて無いんだな…。 フェアじゃねぇよ、これ…。 いまいましいアメリカ教育委員会め…。 +9 アメリカ

■ マジかよ…。 ロボットを作ってるみてーじゃん。 イギリス

■ なんかすっげー複雑な気分だよ。XD  この子らは日本に生まれることが出来て良かったなぁ……俺と違ってよぉ。:' ( 国籍不明

■ ちくしょう…。 なんで俺アメリカに住んでるんだよ…。言葉がねぇよ…。 アメリカ

 ■ re:良いこと教えてあげよっか。 今からでも十分習えるよ。 +3 アメリカ

  ■ re:え?ウソだろ…、マジで? アメリカ

■ これ、練習すれば誰でも出来ますよ。 +3 オーストラリア

 ■ re:本当かい? 子供は大人より遥かに早くいろんなことを学べるし、大人は一定の年齢になったら脳細胞が死滅し始めるってことを分かってて言ってるのかい? はっきり言って、一般的な50歳のアメリカ人じゃあいくら練習しても絶対こんなこと出来っこないよ。 イギリス

  ■ re:この子らの知力はスポンジ並に柔軟なんだろうね。 ちなみに、べき乗や方程式の計算とか出来るもんなのかね? そろばんって関数には対応してるの? オーストラリア

   ■ re:やろうと思えば。 あなただって関数の計算をする時、紙と鉛筆、あるいは計算尺を使うでしょ? それと一緒で、そろばんを使えば直感的かつ視覚的な手段で計算を実行できますよ。 アメリカ

■ すげえよ! 面白い物を見せてくれてありがとう。 +3 アルゼンチン

■ かっちょいい~!! マジでかっけえよおおおお!! あ~、俺も若いうちにこのトレーニングを受けてたら良かったのにな~! +7 シンガポール

■ 日本万歳!!! +6 コロンビア

■ 私は現在30歳過ぎの中年ですが、私でも高速暗算が出来るようになれると信じています。 だから、近いうちにそろばんの勉強を始めるつもりです。 暗算って楽しいですよね。 +3 トルコ

■ まいったね。 俺たちはお手上げだよ。 +129 アメリカ

 ■ re:まったくだよなぁ。 マジでそのうち日本人は世界征服するんじゃねーの。 国籍不明

  ■ re:でも実際の所、現在の日本経済は昔のように芳しくないから、中国が世界最大の経済大国になって、アメリカが二番目、日本が三番目になる可能性が高いと思うよ。 イギリス

   ■ re:少なくとも日本経済は世界第三位ってわけか。 俺っちの国の経済が世界的に見て何位なのか知らねーけどよ。 ちなみにあんた日本人かい? 国籍不明

■ なぁ、これってゴジラを呼び出す儀式だったりして…。 アメリカ

■ この動画を見て、お前ら西洋人がいかに愚かな人種か思い知るがいいぜ。 オーストラリア

 ■ re:西洋人は「愚か」ではありません。 ただ教育方針が間違っているだけなのです。 どうも欧米の上流社会では、一般家庭の子供たちに多くのことを学ばせたがらない傾向にあるようです。 もしも欧米の子供たちが日本人や中国人のような教育を受ければ、彼らも高度な知性を身につけることが出来るでしょう。  あと、一つ付け加えておきますが、そろばん式高速暗算は「知性」とは何の関係もありませんよ。 彼らは計算する時「考えている」のではなく、まるでロボットのように機械的に答えを導いているに過ぎないのですから。 イギリス

■ なんか怖えな。 アメリカ

■ アジアの人間は優秀だなぁ。 アメリカ

■ どうにも要領を得ない話ですね。 近い将来、より複雑な数学(線形代数や複素数など)を学んでいく中で、コンピュータ代数システムの必要性に迫られる時が来るはずです。 この子らにとってはCASの使い方を覚えた方がよっぽど有意義でしょうに。 つまり私の意見を端的に述べると、この暗算は実に下らない物だということですよ。 ドイツ

■ こいつらの動体視力マジパネエな。 テレビみたいなメディアを見てる時も、瞬間的に挿入された画像まで全部見逃さないんだろうな。 アメリカ

 ■ re:日本人は本当に賢いんだなぁ! +16 フィリピン

  ■ re:でも、そろばんって中国の文化でしょ…。 国籍不明

   ■ re:中国のそろばんってこれとは違うんじゃないの? アメリカ

    ■ re:そうですよ。 中国のそろばんは上に二つ珠が付いてます。 それにそろばんは最初日本に持ち込まれませんでしたから、日本が独自のバージョンを作ったんですよ。 国籍不明

■ アジアで生活する場合、行きたい学校に行くためには子供たちは試験を受けなければならないということを知っておく必要があります。 入学したい学校が進学校の場合、その試験は恐ろしく難しいです。 彼らはまるで過酷な労働者のようですよ。 +4 アメリカ

■ アメリカには真似できんわw +2 アメリカ

(ここまでプロのお仕事です)




今回は日本のそろばんを見た海外の反応をとり上げさせていただきました。
この動画に登場する子どもたちの多くはそろばん本体がなくても
頭の中のイメージで計算ができてしまうようで、海外からも称賛の声が寄せられていました。

海外でも、0(ゼロ)の発見はインド、
現在広く使われている数字についてはアラビア数字(実際はこれもインドとのこと)のように、
計算や数学の文化は各国でも古くから存在しますが、
日本では江戸時代に庶民が文字を読め、計算までしていた事に
外国から来た使節団が驚いたというのも有名な話だと思います。

江戸の識字率 wikipediaより引用
江戸の成人男性の識字率は幕末には70%を超え、同時期のロンドン(20%)、パリ(10%未満)を遥かに凌ぎ、世界的に見れば極めて高い水準であると言うことができる。。ロシア人革命家メーチニコフや、ドイツ人の考古学者シュリーマンらが、驚きを以って識字状況について書いている。また武士だけではなく農民も和歌を嗜んだと言われており、その背景には寺子屋の普及があったと考えられ、高札等で所謂『御触書』を公表したり、『瓦版』や『貸本屋』等が大いに繁盛した事実からも、大半の町人は文字を読む事が出来たと考えられている。ただし識字率100%の武士階級の人口が多いため、識字率がかさ上げされているのも間違いなく、当時、全国平均での識字率は20%~50%程度と推定されている。
実用的なそろばんとは違い、
江戸時代より主に趣味として発展した算学というものもあるそうです。
詳しくはwikipediaを参照のこと


今回の海外の声の中には、そろばんの起源は中国だ、という声も聞こえますが、
すぐに反論されているところを見ると
中国と日本のそろばんは違うものという認識はあるみたいです。

日本で発展してきた歴史的経緯などを見るとむしろ問題はそこではなく、
独自の文化として高度に発展させ、守ってきたか、が重要な気がします。



商売で計算をするのは日本だけでなく外国でも当たり前の事ですが、
日本でそろばんや算学が発達したのは、必然と言わざるを得ない環境があったんですね。
そのひとつの例をとり上げてみたいと思います。

利根川や荒川は昔から氾濫を繰り返し、
その度に多くの犠牲や被害が出ていました。
これら大河川の氾濫により各地に湿地帯が存在し、
田畑に向かない土地も多かったようです。

江戸時代、徳川家康は洪水対策や舟による物資輸送、湿地帯を田畑にするなど、
多くの目的のために河の流れを変える大規模治水工事を行ないます。
こちらも詳しくはwikipediaにて。

この大規模治水工事によって各地の湿地帯は江戸を支える耕作地として、
利根川を利用した舟運による大量輸送は江戸を豊かにする一因となりました。
(これに関して、もちろん悪影響もありましたが、全体的に見るとメリットのほうが非常に大きいようです)


この治水工事を行なう際に必要だったのが、
今回とり上げたそろばん(和算・算学)ということです。
治水工事には測量技術なども必須なのですが、
工事を行なう前に距離などを測る際に、地面が平らでない事も問題になります。

勾配がある土地を正確に測るには、勾配の角度と距離を測り、
計算する必要があります。
また、必要となる土砂の量や、それに必要な人員など、
治水工事を行なうためには、和算などを含む高度な数学が欠かせないものでした。



首都高速のルートの原型を作ったのは徳川家康 というような感じの番組 ↓

Le mystere de l'histoire Japonaise_vol.106


日本は明治以降急速に発展してきたと言われますが、
江戸時代の江戸は当時世界有数の(一説によると世界一とも)規模を誇る大都市であり、
その時代に高度に発達した今回の数学を含む文化が根底にあったために、
外国の文化を容易に受け入れる事ができ、さらに改良し昇華できたのだと思います。

明治時代に西洋の数学が導入される事になりますが、
日本には既にしっかりとした下地があったからこそ、
導入し易かったとの話です。
(高度な和算があるのに西洋数学が必要か、など、一部では導入に賛否両論あったらしいですが)


こうして見ると、古くから日本人は知恵で水害などの困難に立ち向かい、
乗り越えるたびに高度な文化や知恵を手に入れてきたとも言えるでしょう。



今回はそろばん(暗算)についての海外の反応を見てみましたが、
そろばんは廊下を滑るためのものではないことだけは書かせていただきます(笑)