今回は日本の海上自衛隊が保有する「ヘリコプター搭載型護衛艦」
DDH181ひゅうが型護衛艦を見た海外の反応です。

現在では世界各国の海軍が航空母艦を保有していますが、
世界で初めて航空母艦を完成させて実戦投入したのは日本でした。

1922年(大正11年)世界初の航空母艦「鳳翔」が製造されましたが、
最初から空母として設計・建造されたのはこれが世界初とのことです。
以後、日本では様々な空母が開発・運用されてきました。


今回の主題であるひゅうがは空母ではなく「ヘリコプター搭載型護衛艦」ですが、
海外では軽空母のように見られている場合もあるようです。

応用範囲が広く様々な活躍が期待されるひゅうが型護衛艦ですが、
この艦が作られた大きな目的はやはり国防のためでしょう。
ひゅうが型護衛艦は敵国の、特に潜水艦を探しだすのに強みがあり、
対潜哨戒機などと合わせて運用することで、優れた防衛力を発揮できるとのことです。

TVではイージス艦が大きく報道されるので国内ではあまり注目されないこの艦ですが、
アメリカを除く世界各国の軽空母の一部と比べて大きい場合もあり、
海外ではどう化けるか分からないといった感じでかなり注目されているようです。


本動画で紹介されているヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」を第一護衛隊に配備しています。
全長197m、最大速力30ノット、12.7mm機関銃や対空・対水上レーダーを持ち、
最大11機までのヘリコプターを搭載できる見事なスペックを備えています。
(甲板での同時運用数は最大4機)
分かりづらいので一応追記させていただきました、教えて下さった方ありがとうございます!

多くの外国人が「ひゅうが」を見て、独自の軍事論を展開しています。
日本の軍事力に期待を寄せる者、武装化に対して懸念を抱く者、実に様々です。
彼らの興味深いコメントの数々を見てみましょう。


動画   携帯用動画



以下、この動画に対する海外の反応


■ 日本の開拓技術を再び見ることが出来てうれしいよ。若宮と鳳翔の後継艦に対して敬意を払いたいね。 +13 イギリス

 ■ re:ほとんどの日本人は鳳翔が世界初の空母であることさえ知らないのに、よくご存知ですね。 でも、もともとの造船技術はあなたの母国であるイギリス海軍から継承されたものなんですけどね。 あなたのコメントを拝見できてとても良かったです。 +2 国籍不明

  ■ re:鳳翔は根底から空母として建造された初の航空母艦だったと思うよ。 加賀みたいに、ほとんどの空母は最初は戦艦として建造されて、船体が起工された後に空母に変換されるものさ。 アメリカ

   ■ re:ええ、その通りです。 ちょっと説明が足りませんでしたね。 ヒューリアスは世界初の空母でしたが、ブリッジと煙突が船体の真ん中に立っていた問題がありました。 その点、アーガスはデッキが平坦だったので、世界初の標準的な空母と呼べる代物だったと思います。 鳳翔は世界で初めて「航空母艦」として設計された空母でした。 国籍不明

    ■ re:誰が発明したものなのか、それを突き止めるのはなかなか難しい問題です。 若宮は空母に変換された他の初期船に似てますが、最初は水上機母艦として実戦投入されました。 世界初の航空母艦を突き止めるのも難しい問題です。 最初に設計されたのはハーミーズでも、空母として認定されたのは鳳翔ですし。 だから私はあえて「発明」と書かずに「開拓」と表現したんです。 イギリス

■ もし日本が今このご時世に空母を建造した場合、なんていう名前を付けるんだろう? アメリカ

 ■ re:第一番船は「瑞鶴(ずいかく)」になるはずだよ。 +7 アメリカ

■ もし信濃がもっと早く完成してミッドウェー海戦に参加していたら、飛行甲板や側面が強化されていたことで信濃が沈没しなかった可能性があるよな。 でも、まぁ、エセックス級空母にはスピード面で劣ってたんだろうけど。  それにもし大鳳が電気溶接されることなく早期に完成していたら、第二次世界大戦の大規模な戦場で大活躍してたんだろうな。 国籍不明

■ 日本は、500mmGPS誘導弾を発射できる20インチレールガンを付けて、第二次世界大戦時に建造された「大和」よりもでっかい戦艦を作るべきだよ。 フィリピン

 ■ re:気づいてないみたいだから一つ言っとくけど、世界中どこの国も1950年頃(年代は定かじゃないけど)から戦艦を製造してないんだぜ。 なぜかわかるかい? それは、航空機から爆弾を投下した方が遥かに簡単に敵を攻撃できるからさ。 空母を作れる技術があるのなら、戦艦なんて資源の無駄ってわけだ。 アメリカ

■ とても素晴らしい船ですね。 この前、実際に乗ってきましたよ。 世界でも最高クラスの船だと思いましたね。 +2 アメリカ

■ どなたか「ひゅうが」の姉妹船に関する情報をお持ちでないですか? もう正式な名前は決まっているのでしょうか? 2009年のいつ頃かの発表日まで待たなければいけないのでしょうか? +3 アメリカ

 ■ re:たしか、「伊勢」だったと思うけど。 +2 ブラジル

  ■ re:確認しました! 確かに「ひゅうが」の姉妹船の公式名は「伊勢」です…。 第二次世界大戦時に彼らが使用していた戦艦と同じ名称とはなんだか皮肉ですね…。 後に伊勢が戦艦と空母の混成船になるなんて夢にも思わなかったでしょうね。 +2 アメリカ

■ 日本は軍隊を所有していませんから、空母を持っていないんですよ。 だから空母ではなくヘリ空母を作ったわけです。 英語が下手で申し訳ない。 国籍不明

  ■ re:日本が空母を所有していないのは、中国、ロシア、アメリカが日本海軍に空母の所有を許可しないからでしょ。 彼らは(ミッドウェー海戦やパールハーバー、珊瑚海海戦時に使用された)赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴の脅威を覚えてますから。 その分、アメリカ海軍は、日本、韓国、台湾のために防衛線を張っているんですよ。 ブラジル

■ 条約の空母に関する条項は2006年に変更になり、フルサイズの「ひゅうが」級の空母を将来的に建造できるようになる2011年までは、20,000トン以下の空母なら作っても構わないことになりました。 残念ながら、F-35が日本に導入される2012年までの5年間はヘリコプター専用の空母として活用されるでしょう。 +2 アメリカ

■ この船は「練習」に過ぎない。 日本海軍には、15万トンクラスの空母を5船建造して、弱体化しているアメリカの空母艦隊を撃破しようという壮大な計画があるんだ。 国籍不明

 ■ re:他人を中傷したいんなら英語の書き方くらい学習しろよ、マヌケ。 アメリカ

  ■ re:まぁ、なんていうか、日本人はアメリカ人のことをあまり好ましく思ってないから、彼が言ってることも分からないでもないんだよね。 いずれにせよ、日本にはもっとアメリカから独立してほしいと思う。 アメリカの顔色ばっかり窺ってないで、日本にはもっと自国や世界の他国のことにも対応してもらいたいものだよ。 スロバキア

■ 主要砲が四つは欲しいね。 コンパクトなオート・メラーラ砲みたいなやつがいいね。 +2 アメリカ

■ 日本はアメリカにとって良き同盟国。 日本自身も国家安全保障への脅威に対抗しうる予防措置を行えるようにすべきだよ。 +2 アメリカ

■ この空母は平和維持活動に役立つだろうね。 物資や機器の運搬とかね。 ハイチあたりがこの空母を配置させる場所として良いんじゃないか。 +3 アメリカ

■ かっこいい船だなぁ! 「ヘリコプター駆逐艦」? …う~ん、日本はイギリス海軍から「全通甲板巡洋艦こそが無敵の空母デザインである」ということを教わったみたいだね。 日本がこの船のためにF-35/ハリアー戦闘機を導入してくれることを楽しみにしてるよ。 +5 アメリカ

■ 日本が中国の台頭や増加している領域内の侵略行為に対しどのように対応するのか、実に興味深く見ているよ。 個人的には、中国は世界の新しい超大国として歓迎できる国じゃないからね。 +3 国籍不明

 ■ re:中国なんて大国と言えるかよ!!! イギリスだとか、フランスだとか、ロシアだとか、世界にはいっぱい大国があるだろうが!!! もし中国が最終的に超大国になったら、あんたはそのことを容易に実証できるってことかい??? まあ、がんばれよ。 アメリカ

  ■ re:なんでロシアやフランスが超大国やねん。 国籍不明

■ 原子力潜水艦と空母が不足している海軍という点では、日本海軍は世界で第5位に位置している。  1.アメリカ  2.ロシア  3.イギリス  4.フランス  5.日本  6.イタリア  7.ドイツ アルゼンチン

 ■ re:はぁ? ロシア? お前、ふざけてんの?www イラク

■ 日本帝国は非常に邪悪だ! 国籍不明

■ 日本って陸海軍を持てるの? ロシア

 ■ re:ええ、他の独立国と同様、日本も軍事力を保有できますよ。 ただし、日本国憲法により、他国侵略目的の軍隊を持つことは出来ないように定められています。 そしてほとんどの日本人はこの憲法を変えることに反対です。 日本の軍事力は世界でもトップ10に入るほど強大ですが、こういった理由からあえて「自衛隊」と呼んでいるわけです。 空母は「攻撃目的」の軍事兵器なので、彼らは「ひゅうが」を空母として分類していません。     なんだかちょっとおかしいですよね。 日本は憲法を変えるべきですよ!!!! アメリカ

  ■ re:独立国にしては米軍基地に占領されてるけどなw ロシア

■ 簡単に叩き潰せるクソみてーな船だな。 アジアの片割れの国と何も変わらねー。 こいつらのやることは、いつも誰かの「パクリ」だ。 アメリカ

 ■ re:日米は強力な同盟国であり、日本は大部分の軍事装備をアメリカから購入しています。 アメリカはこのような空母を持っていません。 だから「パクリ」ではありませんよ。 いいかげんな事を言うのはおよしなさい。 アメリカ

■ とても印象的な空母だなぁ…。 う~ん…、「ヘリ空母」かぁ…、不思議な感じだねぇ。 正直、普通の空母を作ればいいんじゃないのとは思うけどね。 北朝鮮が日本の近くに向けてロケットを発射してるんだし、十分正当化できる理由になるんじゃない? それとも、わざわざアメリカの空母より小さい船体を建造して、「アメリカの空母は大きいですね!我々の空母は…なんて小さいんだ。」なんてアピールしたかったのかな?XD  ステレオタイプで申し訳ないが、言わずにはいられなかったんだ。 反省はしていない…。 +4 アメリカ

■ 「ひゅうが」はヘリコプター用駆逐艦/指揮艦です。 実に素晴らしいデザインですね。 アメリカの空母やLPDとは違って、最大13機までヘリコプターを護衛できます。 16セルのミサイルに、対潜水艦戦用の324mm口径短魚雷発射管も備えています。 高性能軽量銃はいい追加装備だと思いますが、デザイン的には修正が難しそうですね。 でも本当に優秀な船だと思います。 +2 アメリカ

(ここまでプロのお仕事)



中には詳しい外国人の方もいるようで、海外コメント欄は盛り上がっていました(笑)
海外の反応を見てみると、日本のひゅうが型護衛艦は事実上の「ヘリ空母」という
見方をされていることもあるようで、少しの改良でハリアーなどが離発着できる
正規空母(軽空母)へ改造できる、と主張する声もありました。

現時点ではそのような改良を行なう予定はなく、
ハリアーなどの戦闘機がこの艦から離発着する可能性は少ないと言えそうです。


ひゅうがはヘリをたくさん運用できる事から、災害時の派遣などにも効果的で、
支援物資や燃料などを大量に積み、「移動するヘリ専用空港」といった感じでしょうか。

日本の周りの海は過去2度の元寇を退けた事からも分かる通り、
世界的に見ても難所が多く、昔から海難事故が多いことでも知られていました。



有名な話で、確か教科書にも一部載っていると思いますが、ここでも一例をとり上げてみましょう。
時は1890(明治23年)、オスマン帝国(一部が現在のトルコ)の軍艦「エルトゥールル号」が
和歌山県串本町の沖にある紀伊大島東方で台風による風と波にあおられ、
岩礁に座礁し、沈没してしまう海難事故が起きました。


大きな地図で見る

沈没したエルトゥールル号から命からがら流れついた生存者は樫野崎灯台の崖をよじ登り、
灯台にいた2人の日本人に助けを求めました。
灯台守の通報を受け、村の住人たちによる夜を徹しての救助・捜索作業が続き、
その後も食べ物が不足するなか、緊急用のニワトリまで供出するなど、
村の人々は献身的に救護したそうです。

その後、大きな病院で手当を受け回復した生存者たちは
旧日本海軍の軍艦「比叡」と「金剛」に乗り、トルコへと帰国しました。

彼らが故郷の地を踏んだのは事故発生から3か月半ほど後であり、
戻れたのは生存者69名、戻れなかった死者・行方不明者587名という大惨事でした。

灯台付近の「トルコ記念館」にはエルトゥールル号の模型や乗組員の遺品のほか、
トルコ政府から寄贈された品々が収められているとのことです。



時代は変わり、1985年(昭和60年)、イラクのフセイン大統領が
「3月20日午後2時をタイムリミットとして、テヘラン上空を飛ぶ航空機は、
軍用機であろうと民間機であろうと、国籍に関わらず撃墜する」と布告しました。

この時日本自衛隊は法制度の不備から海外派遣できず
日本航空なども様々な問題から救出へ向かう事ができませんでした。

イランに残された日本人は200人あまり、救出は不可能と思われた時に
救出してくれたのがトルコでした。

これについて詳しくはwikipediaを見ていただくとともに、以下の動画が分かりやすいです
エルトゥールル号の借りを返しただけです。 (トルコ)  携帯用動画


イランに残された自国のトルコ人よりも、日本人を優先して助けるなど、
トルコによる素晴らしい恩返しで215名の日本人が救われました。
エルトゥールル号の事故から95年が経過していました。


その他の部分でもトルコは親日であると言えそうです。

トルコでは当時共通の敵と見据えていたロシア相手に
日露戦争(1904年(明治37年)~)で多大な戦果をあげ、
日本の国際的地位を大きく高めた東郷平八郎大将が「強い男」と認識されており、
イギリスだけでなくトルコでも「偉大な男」のように見られているとのことです。

トルコでは子どもにつける名前の「ミドルネーム」に、
「トーゴー」が付けられることもあるほど、
当時、世界から見れば東洋の小さな島国に過ぎなかった日本が
ロシアの世界屈指の艦隊を破ったことに衝撃を受けたのでしょう。


トルコと日本友情の理由 Friendship of Turkey and Japan  携帯用動画

この動画ではエルトゥールル号沈没の際、山田寅次郎が遺族のために日本各地で寄付を募り、
トルコに届けた話などが説明されています。
(動画では現在の価値にして総額2700万円とありますが、手元の資料では当時の金額で5000円ほど、現在の価値で1億円にのぼると書いてあります)

義捐金をオスマン帝国の外交官に渡した後、アブドュル・アミト2世に謁見し、
その時に献上した山田家伝来の鎧兜と刀は今でもトプカプ宮殿博物館に飾られているとのことです。
その後、山田はオスマン帝国高官から呼び止められ、
「オスマン帝国を背負って立つ若者たちに日本語と日本の精神・文化を教えて欲しい」
と頼まれ、士官学校で講義することになりました。

その講義での生徒の中に、後の「近代トルコ建国の父」と呼ばれる
ムスタファ・ケマル・アタチュルク(トルコ初代大統領)がいました。
山田の教えた日本人の精神は、トルコの初代大統領へと引き継がれました。

ちなみに、
今回の物語はAAによりまとめられています

その後も両国は震災などのたびにお互いを励ましあって来ました。
エルトゥールル号の引き上げ作業にあたり、動画の中で
「我々は多くの戦艦を引き上げてきましたが、そのほとんどが恨みや憎しみの末に沈んだものがほとんどであった。しかし、エルトゥールル号は友情の末に沈んだ艦だ」
のように言及されていますが、

1887年に日本から小松宮彰仁親王がトルコに訪れた返礼にと
日本に派遣された使節団の乗る艦、それがエルトゥールル号でした。

友情のお返しに日本に訪れ、帰りに事故に遭ってしまう数奇な運命。

120年ほど経った現在でも両国に影響を及ぼし続けているところを含め、
最初から最後まで両国の友情に関わる艦であったと言えるでしょう。


どこの国にも右と左がおりますが、
トルコでは日本の原発技術を導入することを決定するなど、
かなり日本に好意的なように見えます。

こうして元を辿ってみると、昔の人の熱い想いが起こした奇跡と必然が複雑に折り重なって
現在の両国の友好関係を作ってきたのではないでしょうか。
大きく変化する今後の世界のバランスの中で、日本とトルコは
もう一度原点を見つめ直し、お互いを理解し合う大切な時期に来ているのかも知れません。



ちなみに、現在は法改正が進み、外国で邦人にもしもの事態が訪れた場合は
自衛隊の艦艇や航空機を使い救出できるようになったそうです。
今回のDDH181ひゅうがも、使われないに越した事はありませんが、
国防や災害派遣などに備える事は必要であると言えるでしょう。


しかし、海外の反応を見てると 毎回のごとく
日本に期待するフィリピンさんに思わず笑ってしまいますね(笑)