「富嶽三十六景」 で有名な日本の浮世絵画家・葛飾北斎の作品を
紹介する動画を見た海外の反応です。

その生涯作品数は何と3万点!
海外、特に欧米には驚くほど北斎のファンが多いんですよね。

この動画、再生数は52万回を超え、高評価は1865、低評価はわずか18という人気ぶりです。
海外のコメントを読んでも、その絵画史上における巨大さが分かるかと思います。

動画  携帯用動画



以下、この動画に対する海外の反応


■ 素晴らしい。北斎の木版画は、ゴッホの作品と共通するものを感じるよな+2 アメリカ

■ 北斎は私がいちばん好きな画家です。印象派におけるモネ、ゴッホのような存在だと思います。+2 アメリカ
■ ゴージャスな動画だ。富士山のいろんな絵。なんとすごい画家だろう。北斎の世界に入りたくなったよ。+3 アメリカ

■ 北斎がロンドンで死んだのってほんと?違うんじゃないかなあ。それはともかく、すごい動画! 国籍不明

 ■ re:後で調べましたが、日本の東京で死んだというのが事実のようです。訂正ありがとうございます。 アメリカ
■ 北斎の作品の青はユニークで、エレガントだね。 台湾

■ いい絵だが、ヨーロッパの絵画に比べると子供だな。 オーストリア

 ■ re:彼の作品をじかに見てないから、そう思うんだろう。すごいものでなかったら、今の時代にこれだけ評価されるわけがない。その細やかさは、他の画家を凌駕している。髪の毛の細い線まで。もしそれが君の理解の範囲を超えているのなら、気の毒という他ない。 アメリカ

■ 北斎は、史上最高の画家の一人だ。+4 イタリア

■ おおー、落ち着くねえ。 イギリス

■ ビバ!センセイ・ホクサイ!+2 パナマ共和国

■ ホクサイ ワ イチバン デス :O) アメリカ

■ 素晴らしいいいいいいい!落ち着くし、調和があるし、美しい。でしょう!?拍手千回!+4 スペイン

■ 息を飲む。 カナダ

■ BGMの曲名を教えてもらえますか? ドイツ

 ■ re:日本の民謡、「五木の子守歌」です。+2 日本

■ 北斎の絵って、たいてい富士山がどこかにあるんだよね。そこが好き。+5 ルーマニア

■ 北斎は絵の雰囲気と色調を調整するために、明るい色を使うのが上手い。 アメリカ

■ この曲、「ロクダン」じゃない?+2 カナダ

 ■ re:ちょっと前のコメントを見れば、何人か曲名を書いてるのが見えるだろ。+2 カナダ

■ 言葉が出ない……本当に美しい。 ポーランド

■ アップ アリガトウゴザイマス ボリビア共和国

■ この絵を見ていると、昔の武将の織田信長を思い出す。+2 マレーシア

■ うわー、いいね。昨日ちょうど映画で北斎を見て、この人誰だろうと思ってたところ。 国籍不明 

 ■ re:北斎は2世紀ほど前の日本の画家で、当時の日本の絵画の潮流を変えた人です。最初は芸者を描いていましたが、後に風景を描きました。現代ヨーロッパ画家にも影響を与えています。日本で最も有名な画家かもしれません。+5 カナダ

  ■ re:すごい!よく知っていますね。北斎のことは本当に知らなくて、絵画の技法か何かのことかと思っていました。 国籍不明

■ 日本大好き!浮世絵すごい!北斎は好きな画家です。ありがとう!+2 アメリカ

■ 安藤広重の絵に似ているね。広重の絵はもっと好き。 オランダ

■ アップありがとう。目が喜ぶ(^_^)+7 国籍不明

■ 見ていると落ち着くな。+4 アメリカ
(ここまでプロのお仕事)


圧倒的な迫力を放つ名画を数多く残し、今なお人々を魅了する有名な葛飾北斎ですが、
海外でも広く知られているようで、その影響力には驚かされるばかりです。

ゴッホやモネ、ゴーギャンなど、海外の有名な画家たちも北斎の影響を受けたと言われております。
特にゴッホは日本の浮世絵を500枚以上も集めたとのことで、
日本の浮世絵にいかに興味を持ったかが垣間見えます。

その北斎が書いた「北斎漫画」が海外に渡った経緯も面白いですね ↓

この絵手本は国内で好評を博しただけでなく、1830年代ヨーロッパに磁器、陶器の輸出の際、緩衝剤として浮世絵と共に偶然に渡り、フランス印象派の画家クロード・モネゴッホゴーギャンなどに影響を与えたとされる (引用元
海外に比べて当時の日本ではこういった芸術が
庶民にまで広がっていた事を物語るエピソードと言えます。

日本からの輸出品の一部に素晴らしい陶磁器がありますが、
それらを包むものとして日本人が何気なく使った包み紙のほうに
海外の画家は驚いてしまいました。

今より紙が貴重な当時では高価な輸出品である陶磁器などが割れないように
包む目的で使われたものの中に北斎漫画などが混じっており、
その構図や色遣い、描写力や斬新さなどに
海外の画家たちは大変な衝撃を受けたとのことです。


一応、ゴッホの名誉のために補足しますと、ゴッホは日本だけでなく、
もちろんフランスなども愛していました ↓

ゴッホ終焉の地 Franceオーヴェル=シュル=オワーズ① "Auvers-sur-Oise part1"  携帯用動画


しかし、有名な自画像の背景にも浮世絵が描かれているなど、
北斎や浮世絵がゴッホに大きな影響を与えたのは間違いないようです ↓

(パリ)ゴッホと浮世絵   携帯用動画



海外のコメントでも書かれていますが、
北斎はそれまでの絵画のありかたを大きく変えた画家として、
世界でも広く認知されています。
そしてそれらの芸術は互いに影響し合い、さらに高められて今日に至ります。


今回は北斎に対する海外の反応を見て来ましたが、
その作品のひとつ 「赤富士」 はあまりに有名であり、世界的に見ても間違いなく名画と言えるでしょう。

北斎は大変な変わり者だったようですが(笑)、究極を追い求め常に精進を忘れない
作品に対する真摯な姿勢があったからこそ、数々の名画が生まれたのだと思います。

以前の記事に素晴らしいコメントを書いてくださった方がおります ↓

古い本に富士を「心神」と呼んでいる。心神とは魂のことだが、私の富士観といったものも、つまりはこの言葉に言いつくされている。むかし、私はインドのダージリンでしばらくの間、毎日、日の前にエベレストをながめ暮らしたことがある。世界最高の山だけに、さすがに壮大で立派だった。しかしあれは高山の連続で、富士のようにたった一つ、ぽつんと聳え立っているのではない。素晴らしい壮大な山だとは思ったが、富士を仰ぐ時のような、なんというか清々とした感情はわかなかった。富士は、そういう意味でも、確かに日本の魂だと、その時も思ったことだ。

 しかし、富士の名画というものは、昔からあまりない。それは形ばかりうつすからだ。富士の形だけなら子供でも描ける。富士を描くということは、富士にうつる自分の心を描くことだ。心とは畢竟人格にほかならぬ。それはまた気品であり、気魄である。富士を描くということは、つまり己を描くことである。己が貧しければ、そこに描かれた富士も貧しい。富士を描くには理想をもって描かねばならぬ。私の富士も決して名画とは思わぬが、しかし、描く限り、全身全霊をうちこんで描いている。

富士に登ったことはないが、一周したことはある。どこからながめても富士は美しい。富士はいつ、いかなる時でも美しい。それは、いわば無窮の姿だからだ。私の芸術もその無窮を追う。

(横山大観 「私の富士観」)
日本人の芸術性や美意識が目に見えるものとして残り、
それらは古くから海外でも評価されてきました。
しかし、目に見えない部分でも日本人に魅了された人々がいます。


ゴッホは弟へ宛てた手紙の中でこうも書いています

「日本の芸術を研究すると、疑いもなく賢者にして哲学者という知的な人間に出会う。 
 その人は何をして、時を過ごしているのだろうか。

 地球と月の距離を研究しているのだろうか。違う。
 ビスマルクの政策を研究しているのか。いや、違う。

 その人はただ一本の草の芽を研究しているのだ。

 しかし、この草の芽は、彼にすべての植物を、そうして四季を、壮大な風景を描きださせ、
 遂にはいろいろな動物、それから人間の姿を描き出させるようになる。

 彼はこうして生涯を送るが、人生はすべてを描くにはあまりに短い。 

 まるで自身が花であるように、自然の中に生きる、

 こんなに簡素なこれらの日本人が我々に教えてくれるものこそ、
 真の宗教ではないだろうか」

日本文化と芸術から 画家として情景を読み取ったゴッホの手紙から見ると、
日本人が残してきた芸術の根本は、日本人の心の中にこそあると言えるのではないでしょうか。


海外でも評価が高いだけあって、北斎の色遣いのごく一部である
「Hokusai and Blue Revolution(青の革命)」 に触れている海外コメントもありました。
その他にも詳しい方々がたくさんおりましたが、
今から200年ほど前にこのような人物がいた事に驚く方もおり、
動画で流れている音楽に興味を持つ方も非常に多かったようです(笑)


あ、北斎の作品について、
こちらのサイト様で詳しく説明されていました
今回の動画で紹介されている作品もそうですが、
何度見ても素晴らしいのひとことですね!


2014/05/18 追記

動画が一つ消えていたので
酔いそうな動画を追加します(笑) ↓