日本には古くから 「職人」 と呼ばれる尊敬すべき方々がいます。

刀鍛冶にせよ料理人にせよ、
一つの道を究極のレベルにまで高めようとする職人さん方の努力により、
今日の日本の文化は発展を遂げてきました。

時には精密機械ですら難しい神業を私たちの前で軽々と披露してくれることもあります。
本動画は、大工さん達がかんなで木材を削り、その削りくずの薄さを競う大会を撮影したものです。
緊張や動揺によって手を震わすことも無い職人さん達の熟練技は見事としか言いようがありません。

多くの外国人視聴者も彼らの職人技を高く評価しており、
惜しみなく賞賛のコメントを寄せています。

特に、硬いイメージしかない木材が紙のようにペラペラになる光景はよほど衝撃的だったようで、
多数のアメリカンジョークが飛び交っていました(笑)

動画


以下、この動画に対する海外の反応

■ 一方、日本では…。 アメリカ

■ 画質が360pだと…。 さようなら、また会う日まで。 カナダ

■ 正確無比な技術に舌を巻くばかりだぜ! アメリカ

■ 木製のティッシュペーパーかよ、すげーなw アメリカ

 ■ re:あなたは紙が何から作られていると思ってるの? ベラルーシ共和国

  ■ re:木製のセルロースペーストかな。 +2 アメリカ

   ■ re:シュッ!(笑) アメリカ

■ これって、トイレットペーパーの作り方を紹介する動画? +2 国籍不明

■ こんなに面白いスポーツがあるのに、なんで俺達サッカーなんかやってんだ?! +204 アメリカ

 ■ re:お前みたいなバカがいるのに、なんでコメントシステムなんかあるんだ? 言っちゃあなんだが、お前さんのアートディレクションは最悪だぜ。あんたが小学3年生だってんなら別だけどよ。 どんな分野でも参加者の技術向上を促すために大会があるんだよ。それくらい理解できるようになるまではサッカーでも見とけよ。 あんたもアートディレクションの大会に出れば少しは物が分かるようになるかもな! スウェーデン

  ■ re:フットボールねぇ…。 プレイ時間の95%をフットボールと呼ばれるボールを手で持ち運ぶ作業に費やすゲームのことかい? 防具を身にまとうラグビーのことかい? もちろん、君がサッカーのことを言ってるのは分かってるよ。 ただサッカーというものは、アメリカンフットボールが変化して出来たラグビーのように手を使うんじゃなくて足を使ってプレイするゲームだから、ちょっとびっくりしたのさ。 アメリカ

■ 毎回どの切りくずの薄さも9ミクロンになるなんてありえねーだろ。 カナダ

 ■ re:そりゃそうでしょうよ。 どうして同じ切りくずでも違う箇所を計測したかも、と考えないんだい? アメリカ

■ こいつはマジですげーよ! +115 アメリカ

■ どの種類の木材を使用しているんだろう? アイルランド

 ■ re:アラスカヒノキと日本のヒノキです。 +2 アメリカ

■ で、結局誰が勝ったの? 9ミクロンを記録した最後の人? アメリカ

 ■ re:ええ、今回は9ミクロンが最高記録でした。 しかし、2~3年前の大会では5ミクロンという記録を叩き出した人もいました。 彼はいまだに神として崇められていますよ…。 アメリカ

  ■ re:その時の動画は無いの? マルタ共和国

■ …これぞ日本。 韓国

■ 芸術だよ! ロシア

■ この人たちは木の板が一枚あれば一日中遊んでいられるんだろうね。 +6 ロシア

■ 一方、日本では……なんと200人もの男たちが集まって一人の職人がトイレットペーパーを作る様を見ていた!:) ウクライナ

■ 1:48 ↓ 新記録誕生の瞬間だな!! アメリカ
kezuribana0825

■ ギターの製作者として言わせてもらうと、この技を実現するために自分の道具に施している手入れの素晴らしさを高く評価しますよ。 雑に扱っていたらとてもこんな芸当は出来ませんからね。 ロシア

■ 画質が360p? 日本よ、俺をバカにしてるのか! ベラルーシ共和国

■ ゴールドメンバーは後でこのアイテムを自分の道具箱に仕舞うだろう。 アメリカ

■ 4K解像度テレビを作れる国の動画が360p画質とは。 +8 アメリカ

■ みんな同じ動作してるのが面白い。 国籍不明

■ すげえ!相当鋭い刃なんだろうな! +2 ロシア

■ ビッグバン★セオリー (アメリカのTVドラマシリーズ) の日本版があったら、これも主人公達の趣味の一つとして登場するだろうね。 +2 アメリカ

 ■ re:これは趣味ではありませんよ。 職人たちの真剣勝負です。 アイルランド

  ■ re:承知しました、シェルダン。 アメリカ

■ かっけえ! ニュージーランド

■ もし貴方が主をお探しなら、きっとこのようなイベントに降臨されることでしょう。 +4 カナダ

■ 素晴らしいスキルであることは認めるけど、一体目的は何なんだ? 薄っぺらい木材が実質的に何の役に立つっていうんだ? アメリカ

 ■ re:木材を削る方ではなく、表面を輝かせて排水作用をもたらすほど材質を研磨することに意味があるんですよ。 このようにして扱われた木材の外面はどんな機械よりも丈夫で長年に渡って自然の猛威に耐えうる強度を持ちます。 まさに鍛冶屋―――特殊な刃物用の平面を作ったり若い頃から平面を鋭く研磨する技術を磨いてきた職人―――が平面鉄を生産するスキルですよ。 研磨によって自らも輝く職人技術は本当に素敵です。 +15 ロシア

 ■ re:常識にとらわれた者はいつもこう言う、「それは何の役に立つのか?」と。 バラの素晴らしさを解そうともせずキャベツのみを賞賛する愚かな思想だ。 J.R ローウェル +6 アメリカ

 ■ re:ため息しか出ねえよ。 アメリカ

 ■ re:重要なのは削る事じゃない。 研磨によって鍛え上げられた木材の表面や、良質な製品を作るために高められた研磨技術そのものが重要なんだ。 +4 アイルランド

■ 素晴らしいよ! アメリカ

■ 9ミクロン! つまり0.000354インチですよ! しかも彼はそれを端から端までやり遂げた。 美しい! +4 エストニア共和国

 ■ re:ちなみに赤血球は6.8ミクロンです。 +5 アメリカ

■ うわあ、なんて素晴らしいんだ。:)  ニュージーランド

■ ジレット製品で男を上げろ:ジレットの提供でお送りしました +2 アメリカ

■ マジかよ、俺が昨日買ったトイレットペーパーより遥かに柔らかそうだぜ。-.- +3 アメリカ

■ 同日の早朝に別の大会も開催されます。 朝の部の大会では、結果を測定する際に同じ道具が使用されます。 スウェーデン

■ うおおおお、あまりの興奮で俺の心臓が一分くらい止まってたぜ。 +3 アメリカ

■ 職人技はもっと賞賛されるべきものです。 アメリカ

■ なるほど、どうしてオリンピック競技からレスリングが除外されたのか分かったよ。 代わりにかんな掛け大会を導入するんだな。 個人的には、200mハードルかんな掛け走が見たくてたまらないよ。 +2 スウェーデン

■ トイレットペーパーを作るための面倒な方法のように思えるな。 +2 オーストラリア

■ かんな掛け大会か。 きっとクリケットを見てるより楽しいだろうな! 国籍不明

■ 動画の0:18の所で登場する測定器は何ですか? お願いです、教えてください。 私の仕事でこのような迅速・正確に測定できる装置が必要なんです! オランダ

 ■ re:ブランドに関してはあまり自信はないけど、ミツトヨじゃないかな。 あの会社は世界でも最高水準の測定機器を生産しているから。 インターネットでチェックしてみてごらん。 アメリカ

  ■ re:あなたのコメントに関して少し追記させてもらいますね。 私の履歴リストには今96件もの測定機器に関するエントリーが並んでます。 そしてようやく辿り着いたのは、「すきまゲージ」という工具です。 測定器ではないのですが、ミツトヨ(日本)547-401マール社(ドイツ)のダイヤルゲージに似ています。 でも見たところ、ミツトヨの方が高度な感じがします。 オランダ
(ここまで一部を除きプロのお仕事)




今回は 「削ろう会」 主催の 「かんなで木材を削る大会」 を見た海外の反応です。
海外コメントでも驚いているコメントに多くの同調が見られるなど
向こう側が透けて見えるほど薄く削られた材木とその技術に驚きを隠せないようすでした(笑)

海外コメントの一部では 「何のためにやっているんだ?」 といったような声もありました。
それに反論するかたちで 「薄さは重要ではなく、真の価値は削られた木材の表面加工技術にある」、
と説明されておりますが、それはどのような技術なのでしょうか?


種類により大小ありますが、木の細胞はおよそ30マイクロメートル(ミクロン)、
それよりも薄く削れる事から、かんな仕上げがいかに
木材の表面組織を壊す事無く整えることができるかが分かります。

かんな仕上げによる表面加工を施す事により、美しい仕上げはもちろんのこと、
木の繊維に入り込んだ水の抜けも良くなり、
濡れてしまっても素早く乾く腐りにくい木材になるのだそうです。
その目的はいかにして木造建築を美しく仕上げ、長持ちさせるか、という部分にあると言えるでしょう。

優れた職人によるかんな仕上げは神社や仏閣など、
重要な建築物を長持ちさせるためには必須の技術であり、
日本では古くから高度に発達してきました。

その技術は現在では科学的にも研究されており、
拡大して見るとかんな削りとやすり削りとではやはり大きく違うようです↓

かんな削りとやすり削りの比較顕微鏡写真 引用元(pdf) 
0825 kanna
確かに、かんな削りでは木の繊維が潰れる事なく残っているのが分かります。


今回の削りくず(削り花)の厚さは9マイクロメートルとのこと。
調べてみたらサランラップより薄いんですね・・・。
(リンク先のサランラップの性能にも驚きましたがw)

その他の物の大きさ(小ささ?)比較は以下のリンクより ↓
長さの比較(wikipedia)

ニコン ユニバースケール 
0825 nikonmicro
ミクロからマクロまで物の大きさを視覚的に比べることができます
対象をクリックすることで詳しい説明も見れます

あらためて見ると、9ミクロンってすごい・・・。



かんなは元々、中国から渡ってきたと考えられているとのことです。
現在ではヨーロッパなどでも使われているのですが、
それら海外のカンナは日本のものとは違い 「押して使う」 そうです。
0825 osikanna
(出典:かんなの歴史

日本に渡ってきた当初は海外同様、やはり押して使われた形跡があり、
それらは当時の絵画などにも描かれているとのことですが、
その後日本で発展した 「引いて使う」 かんなは海外で発展した形跡はなく、
日本独自の進化を遂げた道具と言えそうです。

海外では多くの建造物が古くから石材で造られてきましたが、
日本ではやはり木材が主流であったと言わざるを得ません。

かつて世界遺産の登録でも石材建築のほうが有利とも言われていたように、
耐久性という面で明らかに石材に劣る木材。
木の良いところを活かしつつ、その大きな欠点を補うべく高度に発達してきたのが
日本固有のこうした技術であるように思えます。



ここまで主にかんなについて見てきましたが、
驚くべき事にかんなだけでなくそれを砥ぐ砥石も大変な事になっていました。

今回の記事作成にあたり何気なく検索したところ、
既に他サイトさまにて同じ動画が紹介されておりました(それも半年も前にw) ↓
9ミクロン!! 紙のように削られた木。カンナがけ 海外の反応 ジパング さま

上記記事に素晴らしいコメントが寄せられていたので紹介させていただきます
通りすがり

実は研ぎ師なんですけど、砥石について書いておくね。
実は、欧米で主な砥石は「オイルストーン」つまり、油付けて研ぐんだわ

 で、日本の「砥石」ってのは水で研ぐ。
砥石は(水でもオイルでも)2種類になる。「人造砥石」と「天然砥石」
字のごとく人工的に作ったものか、天然物かの違い。ホームセンター等で見る石の9割が人造砥石。高くても1万円くらい。

 ここの「削ろう会」に関係してる砥石屋さんは京都の「砥取家(ととりや)」さんだろう。800年の老舗。
で、天然砥石ってのは「カンブリア紀の微生物の死骸がミッドウェー付近から地殻変動で京都だけに出てきた」から地球上で砥石は京都しか取れない。

値段なんですが、天然砥石だと安くて3万。プロが使う消耗品で30万。ヤバい頭の人が数百万。「本当に実在する一級品」で1500~3000万ってところ。
関・堺 や京都など「刃物が多い街」ならまず本物の研ぎ師さんが存在するから値段聞いてみるといいよ。
30万円~100万円くらいの「比較的安物」なら触らせてくれるかもよ~

最後に1級ブランド名書いておくよ
「鳴瀧(なるたき)」「内曇(うちぐもり)」「マルカ」「カラス」「蓮華(れんげ)」
この辺りが30万オーバーのが多い。普通の人が想像しているより「以外な触り心地」がするぞ☆

なお、高ければ良いって世界じゃないのが砥石の凄いところで、「1番研げる石は自分と相性がいい石」だから人によっては100万円の石でもマトモに研げないなんてのも多い。

「値段でもなく、技術でもなく、『相性』が1番重要」って面白い話

ジパングさんの記事はいつも面白いのですが、コメント欄の通りすがりの砥ぎ師さんも素晴らしい!!
特に最後の部分が名言すぎます。
しかし、本物の砥石って事のほか高いんですね・・・。

wikipediaによると、実際に昔から非常に高価な砥石もあったようです ↓
江戸期の刀の本には、「すでにいい砥石は掘り尽くした」と記され、いい砥石ともなれば、宝石のように高価で、一丁で土地付きの家が買える値段のものもあったとされる。全体的には刀剣用より鉋や切出用といった大工道具の砥石の方が値段は高かった。
全体的には大工道具の砥石のほうが高かった、との記載があります。
当時の大工さん達の収入が少なかったら買う事はできないわけで、
職人を尊ぶ文化がはるか昔には既に出来上がっていた事が見えてきます。
高度な職人さんの技術はこうした土壌があってこそ育つのでしょう。


また、上記wikipediaに砥石の神様も記載されていました ↓
日本神話上には、砥石の名を冠した神名があり、鏡作部の遠祖の神たる「天糲戸(アマノアラト)」がこれにあたる。文字通り、アラトは荒砥を意味し(アラトの子神はヤタノカガミを製作)、古代鏡作りにおいて砥石が重用された。8世紀成立の『日本書紀』に記述があるように、アラト=荒砥といった言葉は古くから用いられていることがわかる。
・・・神様多すぎw


今回話題の砥取家は創業明治10年で130年の歴史があるとのこと

以下、砥取屋さんのパンフレット(pdf)より ↓
京都で産出される天然の仕上砥石の成り立ちは、今から2億5千万年前、太平洋赤道付近の深海底に1千年に1ミリメートルという気の遠くなるような時をかけて降り積もった火山灰や放散虫(海産プランクトンの1種)の遺骸などの堆積物が、地殻変動の圧力や花崗岩マグマの熱により変化し、海洋プレートの移動によって京都付近に地表まで運ばれてきたとされています。いわば悠久の時と地球のダイナミックな活動がもたらした宝物といえるでしょう。

砥取家 砥石130年の伝統を守る職人~亀岡観光映像プロジェクト~


この砥取屋さんの砥石ですが、2006年頃から始めたネット販売により、
今では海外からも注文が来るとのことでした。

海外では主に料理店などからの受注が増えているとのことで、
本物志向のプロ料理人などから高い評価を得ているようです。


優れた砥石とプロの技は日本料理にも生かされており、
プロの砥ぎ師により砥がれた包丁は木材でのかんな同様、素材の細胞破壊を極限まで減らす事で
切り口からの味や水分などの流出を防ぎます。
料理人いわく、お刺身などを捌く刺身包丁の切れ味ひとつで味が大きく変わってしまうそうです。


・・・などと書いてきましたが、まな板も専門の職人さんが作っていました(笑) ↓

京のまな板職人


際限なく広がってゆく匠の世界ヤバイ・・・。

日本の物づくり文化(カルチャーなど含む)を支えているのは、
お互いを高め合い一つのもの・文化を創り上げるという こうした価値観なのかもしれません。

ここまで主に道具に関する技術をとり上げてきましたが、
使う方の力量が極めて高いのは間違いないと思います。
こうした職人さんたちの技術が素晴らしいのは きっと仕事を 「己を磨く道」 と捉えており、
慢心することなく常に研鑚を続けているからなのでしょう。



おまけ

道路を走っていて気付くと稲刈りしているところがちらほら。
20年ほど前までは手作業で刈った稲を竹の棒に干してあるのが当たり前の風景でした。
現在では機械化が進み、刈り取った稲はその場で素早く袋に詰められてしまうので
竹の棒に干す事はほとんどなくなりました。
洗濯物を干す物干しざおも竹製のものはほとんど見かけなくなり、
竹材業者はどんどん減ってゆき、放置された竹林は全国的に増え続けているそうです。

こうして移り変わる時代のなかで、今回の動画のような素晴らしい技術を守り継承してゆくのも
これからの課題となってゆくことでしょう。


今回は素晴らしいかんなの技術を見る事ができました。
しかし、日本の木の文化にやけに詳しい海外コメントがいくつかあるあたり、
彼らにとって、日本の木の文化はかなり興味深いもののようでした(笑)



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