今回はアメリカのサイト「IMDb」での、映画「となりのトトロ」の評価です。

まずこのIMDbというサイトのことですが、
アメリカやヨーロッパでよく知られたレビューサイトの一つです。
The Internet Movie Databaseの名の通り、
基本的には映画を対象としていますが、テレビドラマやテレビ番組も含みます。

現在はamazon傘下で、レビュー形式もamazonのサイトに似ています。
『○人中○人の方が、
「このレビューが参考になった」と投票しています』という文章で評価を示すのも同じ。
違うのは、amazonの5点満点に対してこちらは10点満点であることです。

レビューをしているユーザーはやはりアメリカの方が多いのですが、
ヨーロッパの人々も少なくありません。 

海外でも知名度の高い 「トトロ」 ですが、これは日本人にとっては最もなじみのある映画の一つです。
海外から見た場合はどのように映るのでしょうか?

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翻訳元

以下、この映画に対する海外の反応(レビュー)
 

■ すごい映画だ!
236人中、209人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★10点 スウェーデン
この素敵なアニメ映画には、悪役はいません。堅苦しい人生訓もないし、キャラ達が突然歌い出すこともありません。すべての年代の人にとって、素晴らしい映画だと思います。私が見たバージョンでは主題歌などが翻訳されていませんでしたが、問題ありません。うちの4歳と6歳の子供達は、少しばかり教えてあげればすぐにストーリーを理解しました。演出がすばらしいし、神秘的な、心地よい雰囲気が常に満ちています。こんな映画、他にはありません。私が保証します。映画の大部分はほのぼのしていますが刺激的なエピソードもあり、意外な展開をします。


■ 私が見た中で、いちばん可愛い映画
160人中、149人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★10点 フランス
宮崎駿の映画の中で、映像の壮大さの面では「もののけ姫」が一番だと思います。しかし可愛さという部分では、トトロが最高です。ディズニー映画でも、ここまで可愛い作品はありません。詩的、チャーミング、キュート……この映画の印象を、どんな言葉にしていいのか分かりません。ミヤザキは私たちを「子供のワンダーランド」へと連れて行ってくれます。「アリスの不思議の国」や「ピーター・パン」よりも上です。実際、ミヤザキの映画を見ると子供が大好きになります。この映画の中で子供達は常に走り、叫び、笑い、泣いています。現実の世界では、私はそんな子供達が大嫌いです。他の映画に現れる子供も嫌いです。しかしこの作品では、二人の少女の行動が常に私たちに感動を呼び起こします。私たちは、子供を愛するということを学んだのです。この映画を見ると誰でも、最初から最後まで笑顔になります。私のいちばん好きなシーンは、メイとトトロが最初に遭遇するところです。愉快で詩的で、愛らしい。ミヤザキは、4歳の子供でも大人でも楽しめる映画を作り続けています。そんなことができる人は、他にいません。本物の傑作です!


退屈
7人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
1点 アメリカ
アニメの世界では、この映画は傑作とされています。みなこの映画を、完璧だ、驚異的だ、アメリカには作れないものだ、と言う。私は見る必要を感じませんでしたが、先日ついに吹き替え版を見ました。別に大嫌いってことはないです。ただただ、退屈でした。映画中に何も出来事はなかったような気さえしてくる。全然面白いとは思いませんでした。良い点としては、一緒に見た子供は最後まで熱心に見たということです。なので、ご飯を作っている時に映しておくのはいいかもしれません。(※訳者注:「子供が映画に夢中になり、ご飯づくりを邪魔しない」という意味と思われる)最初と最後に流れた歌はひどいですね。大嫌いです。


■ 人間への信頼を取り戻したい時に見る映画
101人中、88人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★10点 アメリカ
僕が最初に「となりのトトロ」を見たのは、確か7歳の時でした。その時は、非常に退屈だと思いました。ディズニーの派手な映画が好きだったのです。何年も後に「もののけ姫」を見て感動し、トトロが同じ監督さんが作った作品だと知りました。そしてまた、トトロを見ました。7歳に見た時とは全然違い、大好きになりました。アニメ表現は他の宮崎駿の作品と同じく、驚異的です。ストーリーは一見単純ですが、深い。数々の繊細な描写。その最高の例は、トトロのお腹の上でメイが眠るところだと思います。それを文章にしようとしましたが、無理でした。うまく書けません。自分で見て下さい。もうすぐDVDが届くんですが、待ちきれません。日本語音声、英語字幕で早く見たいです。


■ 子供映画だって?
167人中、157人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★9点 アメリカ
想像してみて下さい。退屈な夜。27歳の青年が何か見ようと棚のDVDをめくっている。突然彼は「となりのトトロ」のところでめくるのをやめ、にっこりとする。非常によくあることですね。宮崎駿の大傑作です。人間なら誰でも、どんな年代でも好きになる映画です。全体的に素晴らしいです。アニメーションも、他の宮崎作品同様すごい。ちょっと分かりにくい点もありますが、ストーリーも良いと思います。これは子供映画でしょうか?もちろんそうです。しかし子供だけのものか、と言われれば、そうではなく、我々が誰でも持つ「内なる子供」のためのものでしょう。この映画には子供が笑うユーモアがあるし、大人だけがその意味を分かる笑いもあります。もちろんアダルトという意味での「大人」ではないですが。私はこの映画を推薦しますし、今までも人に薦めてきました。宮崎先生、いつもありがとう。


■ 楽しく、感動的な永遠の名作
96人中、88人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★10点 アメリカ
「日本のウォルト・ディズニー」こと宮崎駿が、こんどはほのぼのした、誰でも楽しめる映画を作りました。驚異的なアニメ技術に愛すべきキャラクター。ストーリーは単純ですが魅力的でドラマティックでさえあり、心をつかまれます。もしかすると見ていて、子供向けアニメを見ているという感覚にならないかもしれません。それぐらいキャラ(特に子供達)とストーリーがリアルです。悪い奴はいない。ポップ・カルチャーも登場しない。映画とタイアップして歌を売らない。これらの事は他のアニメ(特にディズニー)では普通にあります。我々はそういうのには、飽き飽きです。トトロは言葉を話しませんが、この毛むくじゃらの生き物は愛らしい動作により、その気持ちを伝えます。6本足の猫バスは間違いなく、アニメ史上で最もイマジネーション豊かなキャラクターの一つでしょう。人間のキャラも秀逸。メイとサツキは小さな女の子らしい。大人顔負けの知恵を持ったりしていません(最近のアニメの悪い傾向です)。僕は子どもの頃にトトロが好きだったし、これからも好きであり続けます。いつか自分の子供を持つでしょうが、その時はおもちゃのCMではなくトトロを見せます。傑作です。


■ ちょっとがっかり
12人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★7点 アメリカ
この映画、確かに微笑ましいと思う場面もありますが、非常にストーリーが弱いです。ドラマティックな出来事は何もありません。従ってキャラ達の成長する余地もありません。実際問題この映画は、わずかな道徳的テーマさえ訴えようとしていません。このテーマは子供映画にとっては普通あるもので、反対意見はあるでしょうが、よい映画であるためには非常に重要なものなんです。ミステリアスで素敵な作品にはならず、何となく凡庸になってしまいました。トトロとともにする冒険は目的が何なのか分からないし、もっと華やかにできたはずです。あと、トトロのあの巨大な顔の「にやり」とか、大きなうなり声とか、何なんでしょう。フレンドリーどころか、恐い。とはいえ、この映画に惹かれる人がいるのも分かります。そういったことを全部考え合わせ、7点にしました。個人的には、6点にしたいです。


■ 自分が見た中で最も魅力的な映画
5人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★10点 イギリス
この映画は子供向けのものだと、宮崎氏は言っています。僕がこれを見たのは、36歳の時でした。しかしこの作品を非常に良いと思い、72歳の父に見せました。父もこの映画をとても気に入り、4歳の孫にぜひとも見せようと言いました。エキサイティングな映画、笑える映画はいくらでもありますが、トトロほど純粋な喜びを与えてくれる映画はありません。現実の世の中が映画のように素敵な世界でないことは、非常に残念です。しかし僕たちがメイのように4歳のころ、あるいはサツキのように11歳だったころ、「こうあってほしい」と思う世の中はこんな感じだったはずです。自分より年上の人間はすべて優しく、信用できる。何が起こっても最後には、丸くおさまる。メイぐらいの歳の男の子の親として、僕はメイの描写が非常にリアルだと断言できます。バケツに開いた穴に興味津々なところや、不機嫌になってしかめっつらをするところ。一番感動的なのは、猫バスの行き先表示が「メイ」に変わる場面。猫バスがメイの居場所を知っていると、サツキに示したのです。そして、サツキをそこに連れて行くと。僕の唯一の不満は、あの伝説的な続編『めいとこねこバス』がDVDに入っていないことです。この作品の中でメイは猫バスの息子に会い、乗ります。それから、僕自身が猫バスに乗れないのも不満です。僕は猫大好き人間であり、バスの利用者でもあります。猫バスに乗るために生まれてきたようなものです。なのに、想像上のものでしかないなんて!


■ 偉大なストーリーテラーへの入門書
7人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★9点 デンマーク
2001年の『千と千尋の神隠し』、2004年の『ハウルの動く城』を見て、すぐに宮崎ファンになりました。特に、西洋と非西洋の神話的世界が融合し、それぞれ異なるキャラクターが創造されていることに魅了されました。宮崎駿の全ての映画が、見るべきものだと思います。『となりのトトロ』(1988)は宮崎駿の最も美しく、魅力的な作品です。私はこれを特に、まだ宮崎映画を見たことのない人に勧めたい。映画史上最高のストーリーテラーの一人である宮崎駿の世界への、絶好のイントロダクションとなると思います。宮崎さんの最近の作品を見た人は、彼の世界が社会的な意味のあるもので、ユーモラスで、エコロジカルなものだということが分かると思います。それは子供にも、大人にも訴えるものです。トトロは間違いなく、そういう映画の一つです。


■ ちょっと甘すぎる
25人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★5点 アメリカ
宮崎駿は、間違いなく天才です。しかし凡作もあります。スピルバーグでさえ時々あるように。「となりのトトロ」は魅力的なキャラクターと息を呑むほど美しい背景美術をもった、良いアニメ映画です。しかし、トトロ(タイトルの架空の生物)が現れるのは映画が始まってから30分、そしてトトロが何か意味のあることをするまで、さらに30分。その間、何も起きません。登場人物たちは、腹が立つぐらい善人ばかり。人を傷つけるようなことは決して言わない。宮崎さんは自然を愛していて、自然破壊に対して警告するような映画を作ります。このメッセージが希薄なこともあれば、あまりにも強烈で観客に衝撃を与えることもあります。この「トトロ」はメッセージが弱いため、子供には伝わらないと思います。トトロが現れている短い間は、トトロと少女達の交流は意外性があってクリエイティブです。トトロがいない時、人間達は嫌になるぐらいほのぼのした、偽善的な会話をし続けます。少女達はものすごく活発ですが、教育されていない。父親は優しいが、怠け者です。彼女らはただの一度もケンカをしない。それから少女たちが走る時、なぜいつもパンツを見せるのか?これはぜひとも宮崎さんに聞いてみたい点です。人間のキャラクターは一度座ると、新鮮な野菜の交換についておしゃべりをし始めます。きゅうりがどんな味がするか、なんてことは無駄なセリフです。物語の構成はどうなっているのでしょう?映画の中には何のいさかいも起きない。学ぶべき教訓もありません。この偽善的な会話と馴れ合いの時間に我慢できれば、最後の30分はついに何かが起きます。最後の30分は面白いですが、映画全体の評価を上げるほどではありません。


■ のちの巨匠の、初期の作品
4人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★5点 アメリカ
このジブリ黎明期の映画には、後の宮崎映画(「千と千尋」「魔女の宅急便」「ハウル」)に見られる輝きがありません。宮崎駿の特徴である、目を引く要素というものはあります。ファンタスティックな猫バスなんかがそうですね。「千と千尋」や「ポニョ」を傑作にした要因の一つである、自然現象の芸術的表現(風雨、波など)もあります。後の作品では戦争や自然破壊に対する奥深い考察がありますが、トトロではありません。親の病気と引越を、想像力によって乗り越えようとする子供の話です。もし今まで宮崎映画をたくさん見ている人なら、その締めくくりとして「トトロ」を見るのもいいでしょう。もし初見なら、もっと後期の成熟した作品を見ることを薦めます。


■ 愛すべきトトロ
★★★★★★★★★★10点 フランス
僕は映画のレビューを書くときはいつもあらすじを書くんですが、今回はやめておきます。下手に書くと、台無しだと思うからです。この作品はそれぐらい素晴らしいです。宮崎駿とスタジオジブリのファンで、まだ「となりのトトロ」を見てない人がいたら、今すぐ見るべきです。これは宮崎駿という天才の一撃です。これを見るとあの少女達とともに冒険したくなります。もちろん毛だらけのトトロとも。猫バスもいましたね。僕が世界で一番好きなアニメキャラの一つです。


■ 絶対に見るべきもの
3人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★10点 アメリカ
見る前は疑っていたんですが、驚きました。最初から最後まで引きつけられ、素晴らしかった。ミヤザキの子供時代をベースにしたこの映画は、単純なストーリーに魅力、奥深さ、幅広い層へのアピールが散りばめられ、そのどれもがすごい。病気の母親の近くに住むために二人の少女が田舎にやって来た時、彼女らは非常に奇妙な体験をしました。差し迫った死と、信じがたい魔法。限りない好奇心と全てものを疑問なく受け入れるという性質は、子供が本質的に持っているものです。魔法を現実のものとして認めるぐらいに。この映画における異世界は、トトロという形をとって現れます。少女たちの家の近くの森の番人です。動物の精霊です。それら全てが、この映画は素晴らしい。子供はこの作品を大好きになるはず。ただしその深い部分は分からないかもしれない。大人ももちろん好きです。子供の頃のノスタルジーを感じ、そしてそして全体に流れる深遠なテーマを感じます。技術的なことで言えば、1988年に作られたにもかかわらず、アニメーション技術は驚くべきものです。トトロの森も他の風景も本当に美しい。ディズニーも少しは見習った方がいい。この映画は宮崎ワールドへの素晴らしい招待状であり、また永遠の名作でもあります。『千と千尋の神隠し』やディズニー映画のような派手さはありませんが、トトロはこれまでの宮崎映画の中でいちばん魅力的で、可愛らしい作品だと思います。絶対に見るべきです。


■ ワンダフル・ムービー!
3人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★ 10点 アメリカ
この映画は日本で20年前に作られたもの。でも昨日公開されたかのように新鮮だし、文化の壁なんて全然感じません。背景の映画は非常に素晴らしくて、それだけでも見る価値があると思います。木の葉に反射する日光、田園に映る青い空、夏の高い雲、色彩豊かな花々…… 二人の少女が、4歳と10歳でしたか、父親とともに引っ越してきます。彼女らがこの新しい環境を発見し、なじみ、学んでいくようすが細かく、愛らしく描かれます。決して感傷的ではありません。少女たちの行動を見ることにより、観客は自分自身が冒険し、そして喜びの反応をします。さらにそれは、人間のもっと奥深いところにあるものを発見させます。観客は自分のなかの人間らしさを見つけるのです。


■ 見ている間も、見た後も笑顔になる
2人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★★★★★★10点 スウェーデン
昨日の晩、パーティーをして騒いだんですよ。それで興奮して、今夜は眠れませんでした。明日は僕の誕生日なんですけどね。それで、アニメを見ることにしました。「となりのトトロ」はここIMDBで高い点をつけられてます。なので、トトロを借りてきました。この映画は、幸運の神が僕にくれたバースデイ・プレゼントだったようです。本当に楽しかったです。僕は「魔女の宅急便」のレビューでは、「『長くつ下のピッピ』を思い出します。スウェーデン人はピッピは非常になじみがあります」と書きました。この「トトロ」も、同じぐらい良い映画です。 1950年代の日本の田舎(だと思いますが)って、こんな感じだったんですね。そこで育つ子供達。僕はストックホルム郊外の、大きな庭のある家で育ったんですが、その事も思い出しました。映画が始まって10分から、僕はにこにこし続けました。そして、ちょっと心配になるあの場面(この作品を見た人なら分かりますね)でも、笑い続けました。この映画は10点以外ありえません。
(ここまでプロのお仕事)




今回は 「となりのトトロ」 について、レビューというかたちで海外の反応を見てみました。

今から4か月前のGW中に公開しようと考えていた記事なのですが、
監督を取り巻く環境の変化などいろいろあって
「お蔵入り」 にしようと考えていた記事の書き直しですので
つい先日、引退発表で世間を驚かせた宮崎駿監督引退についてのレビューは書かれておりません。
(監督の思想などの話題については記事を純粋に楽しんでいただきたく別に掲載させていただきました)

海外でも非常に高評価な 「となりのトトロ」 ですが、
日本上げばかりだと参考にならないと思い、一部に辛口レビューを翻訳していただきました。


海外の辛口コメントには 「ストーリーが希薄だ」 といった意見がありましたが、
ナウシカやラピュタのような過去作品に比べると確かに派手さはないかもしれません。
その代わりといってはなんですが、
この作品には他の作品とは少し違った魅力が備わっていると思います。

子どもの頃にどこかに置き忘れてしまった何かを思いだせる、
想像によって補える人にとっては素晴らしい映画となるでしょう。

日本では古来からモノには魂が宿ると考えられてきました。
一つひとつのモノに神様がいると。
この映画に登場する大きな楠(くすのき)にしめ縄が巻かれているのを見て
この木にも魂や神様が宿っている、と無意識に思えるのは
日本人ならではの感性と言えるのではないでしょうか。

海外コメントを見ると文化の違いも垣間見えて面白いところです。
例えば、作中で さつき と めい が 「まっくろくろすけ出ておいでー!」 と叫ぶ場面がありますが、
英語版だと「Little dust bunnies, go away right now!」 となっており、
「まっくろくろすけ すぐ出ていけー!」 と日本語版と正反対になります。

まっくろくろすけはwikipediaによると妖怪とされており、
それこそ、そこいらじゅうに神様が存在する日本では神様と妖怪は紙一重であることなども
海外とは少し違うようです。
まっくろくろすけに対する接し方の違いもやはり文化や感性の違いなのでしょうけど、
中にはこうした文化の壁を全く感じさせない作品と言ってくれている方もおりました。


そんなわけで となりのトトロ、
この映画はいろいろな意味で日本的な作品なんだと思います。

配給収入が5.9億円と公開当時は振るわず、興行的には外れてしまう(この失敗のおかげで資金回収のために『魔女の宅急便』が製作されることになった)。しかし1989年以降、日本テレビ放送網の「金曜ロードショー」でジブリ最新作公開年の夏、最新作公開日前夜の放送日等に放映されており、視聴率は毎回21%前後を記録する。引用元:wikipedia
公開当初はあまりウケの良くなかったこの映画ですが、
テレビで繰り返し放送されるうちに大人気作となり、
日テレで放送された時にトトロのぬいぐるみを視聴者プレゼントした際には
200万通の応募があったとのことで、その後ジブリのシンボルマークとして定着し、
ジブリ作品のDVDなどの最初でもスタジオジブリの文字と一緒に映し出されています。
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ジブリの代名詞とも言われる 「となりのトトロ」 ですが、
今回のレビューでも言われているように、海外でもファンを魅了しているようです。

トトロは海外作品でも登場していました。
トイストーリー3で登場するトトロ ↓
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トイストーリー3 トトロ登場シーンまとめ (音量注意)


トイ・ストーリーやファインディング・ニモの監督・総指揮で知られるジョン・ラセターは「僕の人生で最も好きな映画の1つだよ」と述べている
アメリカの歴史を交えながら物語が進行する映画 「フォレストガンプ」 が、
やはりアメリカの歴史を肌で体験してきたアメリカ人が最も楽しめるはずなんですけど、
良い作品はそれを知らない人が観ても楽しめてしまうところが素晴らしいですね。

トトロは愛らしいキャラクターや美しく幻想的な風景や音楽などに魅せられ、
日本の文化や風習に詳しくない海外の方でも楽しめてしまうところも良い点でしょう

また、海外版では吹き替えによって雰囲気などが微妙に変わってしまうのですが、
吹き替えのバージョンによってそこから受ける印象が
大きく変わってしまうのは仕方がないところでしょう。
そのため、日本語バージョン英語字幕で観たいという海外の方も多いようです。

【英語版】 となりのトトロ/Meja 【歌詞・和訳】

リンク先の動画下で歌詞が和訳されています、GJ!


海外コメントの中には 「最初と最後に流れる歌がひどい」といった声もありましたが、
それは英語版だからではないでしょうか?

となりのトトロ (My Neighbor Totoro) - さんぽ (Stroll) - Disney English Version

うん、これは海外コメントに賛同したくなるかも(笑)


Il mio vicino Totoro - canzone finale(イタリア版エンディングテーマ曲)

イタリア語版のこちらのバージョンでは声優さんの声が日本語版と近いせいか違和感が少ないですね
(巻き舌以外はw)

Il mio vicino Totoro - Trailer italiano(イタリア版)

・・・これもメイちゃんの巻き舌っぷりがすごい(笑)

海外版では同じ英語版でもバージョンによって声優が違ったりする場合もあるようですが、
日本語版では素晴らしい声優さんたちによる
数々の名言も外せない要素です。

ジブリ名言集 ↓ (選定は超適当ですw)

・いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。
・親方!空から女の子が!
・おじゃまたくし!!
・なんで螢、すぐ死んでしまうん?
・見ろ!人がゴミのようだ!
・カンタ「おまえんち!おっばけやーしきっ!」 ばあちゃん「カンタぁ~!!」
・目が~~!目が~~!
・ついでに今夜泊まる家を連れて来てくれるといいんだけどねぇ?
・龍の巣だぁ!!
・おまえにサンを救えるか
・40秒で支度しな!
・腐ってやがる…早すぎたんだ
・小鬼だ、小鬼がおる・・・
・メイのばか!もう知らない!!

これらの名言を使ったMAD作品の画像が脳裏によぎる方もいるかもしれませんね(笑)


海外コメントでも言及されていた有名な 「猫バス」 ↓ ですが、
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作品に登場する他の乗り物も良い味を出していました

作中のボンネットバス ↓
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作中のトラック ↓ (ハンドルが丸くない昔のアレですねw)
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作中のものとは違うのですが、
鳥取県岩美郡岩美町ではボンネットバスに乗れるそうです
(残念ながら2週間ほど前に故障したとのことです)
000510
出典:公益社団法人 鳥取県観光連盟


こちらのサイトでは作られた模型を公開されておりました。
このほかにも戦車やお城など沢山の素晴らしい作品があり、好きな方は必見のサイトです。

呉市交通局のボンネットバス(Is682) 昭和43年登録
A4185
制作過程
ボンネットバスは,エンジンの音がうるさくハンドルは重ステで,夏はヒーターがよく効く運転手泣かせのバスですが, そういうところがいいという熱い声に応え,呉市交通局では,購入当時の車体,エンジンで残っているのは 全国でも20数台しかないというこのバスを根気よく整備して,“本物の”ボンネットバスを走らせています。引用元
伊豆の踊子号
855B4
制作過程

ダイハツ CM10T オート3輪
86131
制作過程

ちなみに、さらに昔の木炭バスの時代では
木炭で走るものですから馬力が足りなくて、坂道で登れなくなると乗客が降りて
後ろからみんなでバスを押していた時代もあったという話を
乗客として実際に押していた方から聞いた事があります。


そういえば木炭バスの話題で とあるお話がありましたので
少し長いのですがご紹介したいと思います
(本編と関係薄いのでご要望ございましたらこちらのページからは削除いたします
 追記:とりあえず削除せずこのまま掲載したいと思います、らぶりん さま、ご教授ありがとうございます! )
乗客の命を救わなければ・・・
自らの体を投げ出してバスを止めた車掌

乗客の命を守るために21歳という若さで殉職した鬼塚道男さんのお話です。

上記ページのお話には続きがあり、
遺族への保証金が少ないとの思いから 「バスの運営会社に交渉してあげましょう」、
と言ってくれた新聞記者に対し、道男さんの母ツルさんは
道男さんの姉の夫が同じバス会社に在籍している事から
「婿夫婦に迷惑がかかってはいけない」 との思いもあり、
その件は新聞記者の方に感謝しつつ丁重にお断りしたとのことです。

道男さんを亡くした母ツルさんは当初自殺も考えたほど悲しみに明け暮れましたが、
残ったもう一人の息子をツルさんは女手ひとつで育てる事を決心します。
長年続けた裁縫の仕事を辞め、より給料の多い日雇いの肉体労働の仕事に就きました。
小柄なツルさんが男性と同じ仕事をするのは本当に大変な事で、
無我夢中で働いているうちにいつの間にか20年以上の月日が経過していました。

バス会社でも当時の詳細を知る人もほとんどいなくなったある日、
交通事故の絶滅を祈り道男さんの霊を慰めるための
お地蔵さまを建立する話が持ち上がったんですね。

息子の英雄的な行ないは大きくとり上げられる事はほとんどなく、
このまま浮ばれる事なく忘れられてしまうのではないか。

そう思っていたツルさんがようやく 「生きていて良かった」 と思えるような出来事でした。


このお地蔵さまを建立するにあたり奔走した方がいました。
元朝日新聞記者の秋吉茂さんです。

事故当時の新聞に載った記事を見て道男さんの行動に感動した秋吉さんは
人を励ませるような記事を書きたいと思うようになりました。
同時に、遺族の方を見つけて少しでも励ましたいという衝動を
抑えきれなくなった秋吉さんは教職を辞め新聞記者になり、
行動を起こしました。

秋吉さんは忙しい本業の傍らまず事故がどこで起こったのか調べ始めましたが、
何しろ昭和20年台という当時では
現在のようにテレビやインターネットが普及しているわけではなく、
戦後日本中が焼け野原だったこともあって
大勢の人々がその日の生活に一生懸命な時代でしたので、
事故が起こったのがどうやら長崎県らしいという情報を掴むまでに何年もかかってしまいました。
それまでは長野県を探したりしていましたから、まったく見当も付かないほどでした。

大まかな場所が分かった秋吉さんは長崎県内のバス会社の路線でバスの通る坂道を
片っ端から歩いて調べてみましたが、詳しい話を知っている人には出会えなかったそうです。

ツルさんは日々の生活のために住み慣れた九州を離れ兵庫県に引っ越していましたから、
秋吉さんが懸命に探しても見つからなかったのは無理もありませんでした。
遺族の方がどうしても見つからず、
困り果てた秋吉さんは親友の江口望洋さんに詳細を話し、
遺族の方を見つけて欲しいと頼んだところ、
江口さんは感動し快く引き受けて下さったそうです。

結果、まず道男さんの姉が見つかり、続いてようやく母ツルさんを見つけ出すことができました。
そして1974年10月19日(昭和49年)お地蔵さまの除幕式が行なわれました。
この時点で事故から実に27年も経っておりました。


秋吉さんの挨拶に対しツルさんは
「道男もどんなにか喜んでいることでございましょう」
と言って、後は涙で言葉にならかったと言います。

一人の人間が起こしたとっさの行動が多くの命を救い、
その心意気に触発された一人の人生をも大きく動かしたお話でした。


打坂地蔵尊 場所 ↓

大きな地図で見る

そのお地蔵さまが建立されてから既に39年、
事故からは66年の歳月が経ちましたが、道男さんの命日となる9月1日には
現在でも毎年法要が行なわれているとのことです。
思わず話題がそれました(笑)

模型で思い出しましたが、
amazonで売られているペーパークラフト 「サツキとメイの家」 は組み立てが難しいとのことで、
模型歴40年のベテランをして
「0.1mm単位の組立技術を要求されます」
「これを作例と同じように完成させられるのはプロモデラー以外いません」
とまで言わしめるほどの難易度らしいです
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ジブリ映画に登場する食べ物が美味しそうというのはよく言われているので有名 ↓
【ジブリ飯】 ジブリ作品に登場した料理の再現・比較 レシピ付き
なのですが、
それに負けないほど空を飛行するシーンが多く取り入れられているんですよね。
そのどれもが独創的で素晴らしい!

となりのトトロ より
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風の谷のナウシカ より
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カリオストロの城 より
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千と千尋の神隠し より
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猫の恩返し より
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天空の城ラピュタ より
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紅の豚 より
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どれも素晴らしい名場面ばかりですが、
そのシーンに合わせた名曲の数々も見逃せない点です。

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このシーンの曲 (あえて クラシックギターver ですw) ↓

海の見える街(魔女の宅急便より)をクラシックギターで弾いてみた


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このシーンの曲 (大阪に住む歌い手(ナタリー・エモンズさん)が歌ってくれてます) ↓

ナタリのジブリ - 天空の城ラピュタ 君をのせて

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このシーンの曲 ↓

人生のメリーゴーランド

海外の結婚式での一場面でも使われたようです (音量注意) ↓

Wedding dance Joe Hisaishi "Howl's Moving Castle Waltz" - Свадебный


今回この記事を書くにあたり、過去幾度となく観たはずのジブリ作品を再度観賞してしまいました(笑)
観るたびに新たな発見があり、
良い作品というのはやはり何度観ても良いものです。

子どもの頃メイやサツキ目線で観ていた人も歳を取るにつれて
お父さんとお母さん目線で見るように変化していったり、
時代や時を超えて愛されているのも納得できます。

名場面のキャプチャと曲選定など、名場面と名曲だらけで紹介しきれないほど。
海外でもたくさんのファンが存在するのも納得できる作品たちでした。



エヴァンゲリオンの庵野監督は風の谷のナウシカの巨神兵 ↓
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に携わっていた事も広く知られておりますが、
そこから派生した映像作家の方々がさらにお互いに影響し合い、
独自に発展し、それぞれ多くの作品を生み出してきました。

ジブリ作品(ジブリ以前の作品も含む)は多くのクリエイターの方々に影響を及ぼし
ゲームでもファイナルファンタジーシリーズの飛空艇やその技師などにも影響が見えたり、
影響された漫画などもたくさんありすぎて数えきれないほどです。

何年経っても色あせない素晴らしい作品を生み出し続けたスタジオジブリ。
世間では宮崎駿監督の後継について議論されたりしていますが、
それにとらわれず、それぞれの持ち味を生かしてほしいと思うのは私だけではないでしょう。

壮大な文化を仲間と共に創り上げてきたその功績は
讃えられるべき偉業であることも事実であると思います。



おまけ

5月病マリオの人による作品 ↓
さんぽ

ずっと前から5月病マリオさんのファンなんですよね(笑)


これ以外にもジブリ作品の影響を受けた作品はたくさんあるのですが、
ゲームでは有名なものとして以下の作品が存在しました(声優はもちろん 日高のり子 さん)
ワンダープロジェクトJ (スーパーファミコン)
ワンダープロジェクトJ2 (ニンテンドー64)

上記2点は埋もれた名作とも言われ、素晴らしいゲーム作品でしたが、
当時のハードの性能では容量が足りなすぎて、
シナリオやストーリーを大幅にカットせざるを得なかったんですね。
現在のゲームの1000分の1くらいしか使えない容量でよくぞまあ創作されたものだと感心します。

この作品、その世界観が素晴らしく、最新のハードにて復刻を望む声も多いのですが
(雑誌の 「復活して欲しいレトロゲーム」 で1位だった事も)
音楽を担当していた森彰彦氏が今から15年前、
享年31歳という若さで残念ながらこの世を去っていることから、
当時の世界観を維持したままで削られたエピソードを復刻するのは難しいとも言われています。
それほどまでに、この作品の統一された世界観が素晴らしかったんですね。


ジブリも素晴らしい才能を持った多くの方々によって支えられているのですが、
近藤喜文氏(1998没・享年47歳) 抜きに語ることはできないとも言われています。

宮崎駿監督は長編作品から引退すると発表しましたが、
生命を失ったわけではありません。

日本の映像業界をけん引してきた巨匠たち。
生命あるかぎりクリエイターであり続けていて欲しいと願わざるを得ません。



今回は 「となりのトトロ」 についてレビューというかたちで海外の反応を見てきました。
海外コメントの中に辛口コメントを多めに翻訳していただきましたが、
該当サイトの下画像 ↓ の評価を見ても分かるように、
0908 totorousers

実際はそういったコメントは全体のごく少数であり、
ほとんどの海外コメントでは絶賛の嵐であったことを追記させていただきます。

今回の記事を書くにあたりwikipediaのトトロのページを初めて見ましたが、
トトロの中でも一番小さい 「小トトロ(白いの)」 の年齢が109歳というところに一番驚いたかも(笑)

ごめんなんさい、今回も好き勝手に書いてしまいました、反省・・・。




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